みやビズ

2020年2月25日(火)
紙面県内経済

正念場の宮交~支援終了から5年 (2)

2011/12/14
■バス 高速の低価格化打撃

10月にオープンしたJR宮崎駅西口のバスターミナル

10月にオープンしたJR宮崎駅西口のバスターミナル。路線バスのダイヤや経路変更などで、同駅への乗り入れが強化された

 バス事業から創業した宮崎交通。宮交グループの出発点とも言えるこのバス事業が苦境にあえいでいる。「これまで貸し切り、高速バス事業の黒字で路線バス事業の赤字を補填(ほてん)してきたが、いよいよその構造も難しくなり瀬戸際に立たされた。路線バスにメスを入れる」と、宮交ホールディングスの塩見修社長は覚悟を口にする。年明けにも赤字バス路線の実態を各市町村に説明し、補助の在り方や運営などを含め、行政や住民と路線バスの方向性を協議したい意向だ。

 路線バスは産業再生機構支援終了後もダイヤ、便数の見直しを行ってきたにもかかわらず乗客が減り続け、恒常的な赤字体質を改善できていない。2010年度は県内327系統の3分の2、218系統が赤字で、地域別で黒字を達成しているのは宮崎エリア(宮崎市と東諸県郡)だけ。11年3月期決算ではバス事業全体で1千万円、同9月中間決算では4千万円の営業損失を計上。宮交グループ全体にとっても経営改善の足かせになってきた。

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 赤字路線に対しては国や県、市町村が運行費の一部を補助するが、国、県の補助対象は赤字路線の5分の1、41系統(10年度)にとどまる。「公共交通機関の使命」という大命題の下、赤字を抱えながらも自社運行を続けてきたのが実態だが、「一民間企業の努力だけでは運行継続が難しい地域が出てきている」と上村哲司バス事業担当取締役は明かす。

 その背景には、高速バス市場の競争激化がある。規制緩和による貸し切りバス業者の参入で、確実な収益を確保できていた宮崎―福岡線に低価格化の波が押し寄せた。08年度に33万人を超えていた年間乗車人員は10年度、約27万人に低迷。当初片道約6千円だった運賃も、他社の中には2千円を切る低価格が登場した。宮交も片道2500円の新運賃で対抗するが、この1年で乗車人員は伸びたものの、運賃切り下げ分は賄えなかった。

 貸し切りバス部門も需要の変化に伴い、車両を05年から5年間で30台も減らしてきた中で、バス事業の収支改善には路線バスの赤字圧縮が最大の懸案事項。「企業経営として追い詰められた。地域の足をどう守るのか、行政や住民とゼロベースで見直していきたい」と塩見社長。

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 今年10月にはJR宮崎駅西口(宮崎市)に新バスターミナルを開設。JRとの結節強化へ一般路線バスのダイヤ改正や22路線での経路変更などを実施し、宮崎駅への乗り入れを強化した。

 ターミナル開業、ダイヤ改正が利用者増につながっているか具体的な数字はまとまっていないが、上村バス事業担当取締役は「新たな需要も出てきており、乗車人員は前年より微増しているはず」と期待をかける。今後もJRのダイヤに合わせてバスのダイヤ改正や便数増強を検討する姿勢だ。

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