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2018年7月20日(金)
紙面県内経済

みやざき羅針盤 教育情報サービス社長 荻野次信氏

2015/02/25
バングラのIT支援

教育情報サービス社長 荻野次信氏
 ―自社の動画コンテンツ制作ソフト「ThinkBoard(シンクボード)」を活用した、バングラデシュでのIT技術者育成事業に取り組んでいる。いきさつは。

 バングラデシュは、繊維産業に次ぐ第二の国策としてIT産業の底上げに取り組んでいる。そこでIT技術者を増やそうとしており、その能力を厳正に評価しようと日本の国家試験・情報処理技術者試験(ITEE)を導入した。ITEEに関する学習指導を行うために普及を目指しているのが、シンクボードを使ったeラーニング(インターネットを活用した学習形態)システムだ。国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開事業(案件化調査)選定を、九州で唯一受けている。
 ―シンクボードにはどのような特長があるか。

 動画コンテンツを「画像」「音」「手書き」の良さを組み合わせた形式で提供し、習熟度に合わせて学習できる。容量が小さいため、脆弱(ぜいじゃく)な通信環境下でも対応が可能。通信インフラ整備が途上のバングラデシュでも、学習環境改善に役立つと考える。

 ―現時点で事業の進捗(しんちょく)状況は。

 昨年10月にバングラデシュへ行き、現地でのパートナーとなる地元IT開発企業「BJIT」スタッフにシンクボードでのコンテンツづくりを指導した。日本で作ったものを持っていって「使って」といっても定着しないので、早い段階から事業の“現地化”に取り組んだ。BJITスタッフは優秀かつ誠実で、私たちが帰国した後もコンテンツを量産している。一番の収穫はBJITをパートナーにできたこと。JICAの支援もあり、想定したよりも順調だ。

 ―バングラデシュに行って何を感じたか。

 ジャパン・クオリティーへの信頼度の高さ。国策の一環として事業を進めるからには、その信頼に応えたいと強く思う。あと、バングラデシュ国民の「この国を何とかしたい」という思い。貧困層が多く、小中学生でも家計を助けるために労働力として駆り出され、学校に行けなくなる事例もあると聞く。教育省事務次官を訪ねた際、小中学校教育へのシンクボード活用を想定し、現地進出を強く促された。企業なのであくまで収益性は無視できないが、シンクボードを活用してその国の開発課題を解決していく一つの道順を立てることができれば、企業冥利(みょうり)に尽きる。

 ―今後の展開は。

 今月下旬に2度目の訪問をし、eラーニングシステムで用いる学習管理システムの構築などを進める。ダッカ大学やバングラデシュ工科大学と連携し、5月に実施されるITEEでどれほど学習の効果が上がったかの「効果測定」も行う予定だ。今回、JICAのスキーム(枠組みを伴った計画)に選ばれたのは幸運だったが、この機にできたパイプをどんどん太くしていきたい。そうすればミャンマーやカンボジアなど他の国への横展開へ可能性は広がる。普及させるための「公式」は応用できると思う。
(聞き手 経済部次長 鬼束功一、宮崎市の教育情報サービス本社で)

 おぎの・つぐのぶ 創価大学文学部英文学科卒。宮崎市内の総合学園の英語教員、教務部長などを経て、2001年に独立。同年に教育情報サービス(宮崎市)を設立し代表取締役に就任。延岡市生まれ、日向市育ち、宮崎市在住。55歳。

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