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2019年9月23日(月)
紙面県内経済

肥後銀・甲斐頭取インタビュー(下)【熊本日日新聞】

2014/12/26
30年後勝ち残りへ/業界越え問題提起

 肥後銀行(熊本市)の甲斐隆博頭取は、鹿児島銀行(鹿児島市)との経営統合についてのインタビューで、将来の展望を語った。

 -統合によって、経営基盤をどう強化しますか。

 「四つのメリットを追求する。1点目は規模の利益。資金運用の一元化などが考えられる。2点目は多角化。これから増えることが予想される遺言信託をはじめ、証券も視野に入ってくる。地域のお客さんへのサービスレベルがぐんと上がる。3点目は効率化。システムの統合が一番大きい。今は両行のシステムが違うが、慌てず、両行で次のシステムをつくっていく」

 -効率化で、店舗の統廃合や人員削減は。

 「一切考えていない」

 -4点目のメリットは。

 「自己資本が倍になることによるリスク耐性だ。銀行のリスク許容度は、自己資本をベースに決まる。より積極的にリスクを引き受けて融資できるようになる。これは大きい」

 -福岡などへの営業展開を強める考えは。

 「需要の多いところに資源を投入することは、経営判断として当然。ただ、統合はトップダウンで決めたが、実際の営業戦略は現場の考えで組み立てていくべきだ。すぐに統合効果を求めているのではない。私は30年たっても勝ち残っていける枠組みを後輩たちに用意した。その枠組みをベースにどうするかは後輩たちの仕事だ」

 -統合準備委員会での協議の現状は。

 「将来のある人たちに任せている。頻繁に会議を開いている。いずれ頭取同士の出番もあるが、今はトップダウンで口を出さないようにしている」

 -持ち株会社の本社所在地は。

 「現段階では全く考えていない」

 -役員人事は。

 「頭取2人が決めることだが、まだ話し合う時期じゃない」

 -両行の融和に心配はありませんか。

 「持ち株会社方式をとったのは、両行の名前や経営理念は尊重した上で、共通課題や有効な営業などを考え、両行の経営を監督していく点にある。統合をやってみて、成果をチェックする機能があればいい。われわれはお互い、収益性の高い健全な銀行で働いてきた。あまり心配していない」

 -他行がグループに加わる可能性は。

 「今の段階では、そこまで考えていない。最終合意の内容を見て、何となく関心を持つ銀行はあるだろう」

 -将来的に目指す規模はありますか。

 「考えたことがない。ただ、これからは一つの県、自治体で課題を解決しようとしても、現実は無理だ。企業経営に限らず、人口減という構造的課題を解決しない限り、地方の経済成長や持続可能な社会づくりは難しい。例えば、阿蘇の草原再生の活動では、福岡の財界にも協力してもらっている」

 -県境を越えた統合の動きが、ほかの業界に広がる可能性は。

 「可能性は否定できない。市場が小さくなっている。しかも人口減は加速していく。どこで決断し、実行するのか。われわれの統合は、問題提起のメッセージを発したのではないか。注目されているのは分かっている。何としても『統合してよかった』と言える構図に持っていきたい」(熊本日日新聞・5日付)

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