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2019年7月19日(金)
紙面県内経済

都城商店街紀行(1) 千日通り【上】 かき氷黒熊「発祥地」

2014/08/20
ココアと氷の相性がばっちりの「黒熊」。手にするのはホールを担当する平治さんの長男全平さん.jpg

ココアと氷の相性がばっちりの「黒熊」。手にするのはホールを担当する平治さんの長男全平さん

 都城市の中心市街地で老舗百貨店「都城大丸」が閉鎖して3年半。街の衰退が進む中、大丸跡地で新たな中核施設の整備が始まった。復興の槌音(つちおと)に誘われて商店街を歩いてみると、人通りこそ少ないが、個性あふれる店や人、温かな語らいなど新鮮な発見に満ちていた。実は楽しくて、面白い商店街。その魅力を伝えたい。(都城支社・小川祐司)

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 最初に紹介する商店街は「千日通り」。こんなに暑い日が続くと、かき氷が無性に食べたくなる。ということで、特別なかき氷を求めて「喫茶くろいわ」に入った。

 マスターの黒岩平治さん(65)の父利男さん(88)が1965(昭和40)年にオープン。その4年後に経営を継いだ平治さんが70(同45)年ごろに考案したのが、かき氷「黒熊」だ。当時、店では鹿児島生まれの「白熊」を出していたが、客から「店がくろいわ(黒岩)なんだから、黒熊を作ってよ」と冗談半分で言われたのがきっかけ。

 コーヒーなどいろいろな材料で試作を重ね、たどり着いたのがココアをベースにした氷みつ。氷との相性が抜群で、すぐに評判となった。今では県内外に黒熊を出す店があるが、喫茶くろいわが「発祥の地」という。

 記者は黒熊を見るのも食べるのも初めて。ココアベースなので少し茶っぽいが、黒熊と呼ぶにふさわしい見た目だ。メロンやスイカがきれいにトッピングされている。ひと口、食べてみて「おー」。ココアの風味が氷にばっちり合っている。甘過ぎず、さくさく食べられる。すると、中からモモやパイナップルが…。果物で味覚がリセットされ、さらに食べ進めると最後にあずきが待っていて、飽きのこない味の演出を満喫した。

 5月から9月末までの限定メニュー。1杯800円で、白熊(750円)と交互に計3杯を平らげた女性客もいたという。

 季節外に「親が『死ぬ前にもう一度食べたい』と言っている」と頼まれ、特別に持ち帰り用の黒熊を作ったことが何度もある。「長くやっているから懐かしい味になってるんだろうね。親子3代で来てくれるお客さんもいる。そういうのが一番うれしい」と平治さん。冷たい氷に込められた温かな思いに触れ、爽やかな後味になった。

 この千日通り、飲食店が充実している。都城おでんの人気店「雨風」や「新宿」、釜飯で知られる「くいだおれ なにわ」、キジ肉も食べられる「鶏の今屋」などなど。市外から知り合いが来たら、ぜひ案内したい商店街だ。
メモ

【メモ】「喫茶くろいわ」は第1、3木曜日定休。店の裏に3台駐車可。(電話)0986(23)6472。千日通りは都城合同庁舎やメインホテルの裏側。千日通り商店街振興組合の組合員は賛助組合員を含めて31人。1965(昭和40)年ごろには映画館だけでも4館、計70店ほどが軒を連ねたという。

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