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2019年9月23日(月)
紙面県内経済

本県の商機拡大 鹿銀・上村頭取インタビュー

2014/11/19
地域経済と共存図る

かみむら・もとひろ 慶応大商学部卒。1975(昭和50)年入行。取締役業務統括部長、常務取締役を経て2010年から現職。鹿児島市出身、62歳。

かみむら・もとひろ 慶応大商学部卒。1975(昭和50)年入行。取締役業務統括部長、常務取締役を経て2010年から現職。鹿児島市出身、62歳。

 2015年10月の肥後銀行(熊本市)との経営統合に基本合意した鹿児島銀行(鹿児島市)の上村基宏頭取が18日、宮崎市で宮崎日日新聞社の単独インタビューに応じた。新設する持ち株会社の本社所在地について、「どちらかの本店に置くのはふさわしくない。鹿児島か熊本のどちらかに土地を取得し、社屋を新設するのが適当」と述べた。本県への経済効果については「商流、ビジネスマッチングについて大幅に紹介先が拡大する。社会基盤整備についても存在感を示したい」と意気込みを語った。

 今月10日の経営統合の基本合意に関する会見以降、上村頭取が報道機関のインタビューに応じたのは初めて。

 基本合意について上村頭取は「人口減の中で地域経済と共に生き残るための選択」とした上で、「単独行では縮小均衡の道しかない。それでは地銀が地域経済を支えているとは言えない」と認識を示した。

 また、上村頭取と肥後銀の甲斐隆博頭取は、慶応大商学部卒で両行の福岡支店長を同時期に勤務。頭取就任も1年違いで「最終的には(この人脈が基本合意の)決め手になった」。「お互いに頭取に就任して、人口減、雇用、地場産業の支援などについて何度も話し合った」として、危機感の共有があったことも明かした。

 持ち株会社の株主総会については「両行の本店で1年ごとに交互に開くことが株主にとってもいいのではないか」との考えを示した。基本合意の発表以降の株主や経済界の反応は「おおむね好意的で安心した」と語った。

【一問一答】

 -経営統合の基本合意に至った経緯は。

 一番の理由は人口減少。15年先には宮崎の人口は100万人を切り、鹿児島は約134万人となる推計が出ている。人口減少に対する備えを経営者がしなければいけない。10、20年後、経営統合しなくても大丈夫だという自信は鹿児島、肥後銀行ともにある。しかし、経営が疲弊してから統合しても遅い。先に手を打たなければいけないという判断だった。

 -地銀間の金利競争は激しい。経営統合には不戦協定という印象もある。

 鹿銀は宮崎の地銀と競争している。肥後銀と競争したら大変だと思う。肥後銀は福岡と競争しているわけだから、お互いに精力を使い果たすことになる。判断するとすれば二つに一つ。競争するか、和平協定を結ぶか。肥後銀と競争することに価値はない。経営統合は、あくまでも生き残るということが根底にある。お互いに守備で少し強化する印象はある。

 -攻める姿勢はどういう部分で示すのか。

 越境して攻め込むのとは意味が違う。もっとも今の状態で人、物、金がそれほど潤沢ではない。鹿児島、宮崎を守り育てることで手一杯だ。攻めるというのは、融資で産業を強くすること。人が増えないと銀行は成り立たない。宮崎を地元とするからにはわれわれにも意地がある。地銀が業績が悪いからと融資をストップするのは一番やってはいけない。われわれには義☆(人ベンに夾)心(ぎきょうしん)がある。義☆(人ベンに夾)心がないのはポリシーがないのと同じ。融資しておしまいではいけない。

 -単独行に生き残る道はあるのか。

 30年でも50年でも生き残ることは簡単だ。しかし縮小均衡するだけだ。それは顧客サービスを縮小し、顧客が離れること。利益も少なくなり、行員も給料も減る。地域経済も同時に縮小均衡する。われわれはそれが嫌だから統合を目指した。細々と生きることに何の意味があるのか。地域経済に責任を持つとか、そういうことではなくなる。われわれは地域のトップバンクとして責任を持たないといけないから、単独は絶対に選べない。単独を選んだ瞬間にそれは地元銀行ではないということだ。
(聞き手 経済部・巣山貴行)

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