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2018年9月22日(土)
紙面県内経済

骨粗しょう症日向夏で予防 宮崎大が特許取得

2011/11/17
特許実施許諾契約を結び、握手を交わすサンAの羽田社長(右)、宮崎大の菅沼学長(中央)、一丸ファルコスの安藤社長=16日午前、宮崎市

特許実施許諾契約を結び、握手を交わすサンAの羽田社長(右)、宮崎大の菅沼学長(中央)、一丸ファルコスの安藤社長=16日午前、宮崎市

 宮崎大医学部付属病院産婦人科の山口昌俊講師らは日向夏ミカンの抽出物が、骨粗しょう症予防への効果が期待できることを突き止め、事業化を進めている。同大学はこの成果を特許登録し、7月には県農協果汁(サンA、川南町、羽田正治社長)と一丸ファルコス(岐阜県、安藤芳彦社長)と特許を使って事業化や商品化する契約を締結。両社は今後、日向夏ミカンの機能性を生かす商品開発などを計画しており、本県農業への貢献も期待される。

 山口講師らは、温州ミカンの皮が漢方薬に活用されていることに着目し、2002年ごろから日向夏ミカンの研究に着手。骨粗しょう症モデルのラットに日向夏ミカンをすりつぶし2、3週間与えたところ、骨量や骨密度が改善された。

 また、日向夏ミカンジュースの製造工程で出る搾りかすから作った抽出物を培養細胞に加えると骨を壊す細胞を抑制し、骨を作る細胞の増殖が促されたという。同大学は04年に特許出願し、今年1月に特許登録を受けた。

一丸ファルコスが日向夏ミカンの抽出物から作った錠剤や粉末のサンプル

一丸ファルコスが日向夏ミカンの抽出物から作った錠剤や粉末のサンプル

 同大学は7月、みやざきTLOの技術移転活動を通して、サンAと、健康食品の天然原料を製造する一丸ファルコスと特許を使った事業化で契約した。サンAは飲料用の果汁を搾った後、果肉などの搾りかすを抽出・濃縮し、一丸ファルコスに抽出液として提供。一丸ファルコスはこれをエキス粉末化し、来夏を目標に健康食品メーカーなどへ原料として販売する。将来的には大手メーカーなどがこのエキスを使ったサプリメントなどを商品化する可能性もあるという。

 日向夏ミカンのジュースなどを手掛けるサンAによると、県内の日向夏ミカンの栽培面積は136ヘクタール(1993年)から196ヘクタール(2010年)と拡大しており、加工割合も増加傾向にある。一方で、日向夏ミカンの原料としての価格が高く、県外での認知度が低いことなどから、飲料市場での拡販は厳しい現状にあり、今後は日向夏ミカンを使った健康飲料の販売も検討する。

 16日は、宮崎市のJA・AZMホールで報告会があり、宮崎大の菅沼龍夫学長やサンAの羽田社長など、関係者が出席。菅沼学長は「学問の分野から本県農業の発展に貢献したい」、羽田社長は「(ジュースを作った場合)日向夏ミカンの半分は残さになる。この中から成分を抽出し活用することは、将来の農業生産の拡大にもつながる」と話した。

 山口講師は「日向夏ミカンのどの部位に有効成分が含まれているか検討中で、今のところ多糖類と推定する。日向夏ミカンの有効成分を食品やジュースに添加することで、付加価値につながれば」と話している。

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