みやビズ

2018年11月14日(水)
紙面県内経済

みやざき羅針盤 鹿児島銀行常務取締役宮崎支店長 東 清三郎氏

2014/07/11
農畜産融資で力発揮

鹿児島銀行常務取締役宮崎支店長 東 清三郎氏
 -県内の業績はどのような状況か。

  2014年3月期の貸出金残高は2284億円。これを6月末時点で約2400億円に伸ばし、昨年同期比で約35%増となった。13年3月から営業人員を大幅に増やした成果もあり、住宅ローンを中心に県内8支店が着実に伸びている。宮崎は公共工事や農林水産業など下半期に投資を行う業種が多く、事業性については今後の伸びにも期待できる。15年3月期の貸出金残高の目標値は3千億円。提案力と早い審査が新たな資金需要を生む。この状況が続けば、目標値を確実に超えるペースにある。

 -医療・介護分野での伸び率が昨期比39.5%と高い。

  本部の医業推進室所属だった専門行員3人が宮崎支店に常駐する形になった効果が大きい。専門行員は病院に2年ほど出向して会計や診療報酬改定の事務などに携わる。現場経験を積むことで医療の専門知識を身に付けることができる。実践経験のある行員が医療業界の変化に対応し的確にアドバイスするので信頼関係が築きやすい。また、畜産分野でも同様に畜産会社に行員を出向させることによって専門知識を深める取り組みを行っている。

 -宮崎でも生かせるノウハウはあるのか。

  宮崎は鹿児島と同様に1次産業の比率が高い。農畜産関係の融資には全国の地銀と比較しても多くのノウハウを持っている。農畜産業は高齢化や集約により大規模化、法人化が進むだろう。こうした部分で私たちの力が発揮できる。牛などの動産を担保にした畜産ABL(動産担保融資)では独自のシステムを開発、運用している。また、飼料代や肥育牛の売値の変動など不確定要素に耐えうる融資契約の在り方なども現在研究している。これらを活用し農畜産業の6次化に貢献したい。

 -今後の融資展開はどの分野が柱になるのか。

  中小企業、個人金融、地域活性化の3本柱で考えている。中小企業は事業承継、相続対策で新たな資金ニーズを発掘したい。県内でもM&A(合併・買収)のほか、持ち株会社の立ち上げを手伝うなど実績をつくることができた。われわれの取引先が増えたことで展開できた。個人金融では住宅ローンを入り口に資産運用や相続対策などにもつなげたい。また、地域イベントへの出資や参加で存在感を高められるといい。

 -本県経済の観測は。

  業種によって隔たりがあるのは確か。消費税増税の反動減も落ち着き今月中には回復するのではないか。都城志布志道路の効果に期待する。志布志港にはこの10年で畜産関連企業の進出が多い。輸送コストが下がり、時間も短縮される。日本一の食肉処理施設を宮崎と鹿児島両県で整備してもいいのではないか。流通を変えたら畜産業はもっと良くなる。金融が県境を越えるということは、お客さまのテリトリーも垣根がなくなったということ。宮崎と鹿児島の経済をつなぐ役割も担いたい。(聞き手 経済部 巣山 貴行 鹿児島銀行宮崎支店で)
 
 ひがし・せいさぶろう 鹿児島県立宮之城高(現薩摩中央高)卒。1975年入行。本県では宮崎支店次長、高岡支店長、都城支店長を歴任。取締役本店営業部長から2011年に取締役宮崎支店長に。今年6月から常務取締役宮崎支店長。好きな言葉は「夢はかなう」。鹿児島県さつま町出身、57歳。

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