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2020年2月25日(火)
紙面県内経済

福岡支社発九州経済リポート 自治体アンテナショップ

2016/02/20

長崎県松浦市のアンテナショップ「鷹ふぐバル松浦」。魚食べ放題のランチ「まつらめし」が人気

工夫凝らし地元発信 福岡で進化を続ける

 特産品販売などで自治体をPRするアンテナショップ。福岡では昨年出店した大分の4市村を含め、13自治体が8店を構える。物販や飲食を柱にスタイルが多様化。民間のノウハウも借りて都市圏のニーズに合わせ地域を売り込んでいる。
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 福岡市中央区天神の商業ビル「イムズ」に入る長崎県松浦市のアンテナショップは飲食がメーン。人気ランチ「まつら(松浦)めし」は、地元のアジやサバなどを丼に盛り放題でサラダ、飲み物なども付き1時間1580円だ。

 運営するのはレストラン14店舗を展開するD・DCompany(ディー・ディー・カンパニー、福岡市)。客足が鈍かった昼の集客策として「まつらめし」を昨春打ち出した。同市東区の女性会社員(35)は「近辺では魚の食べ放題は見掛けないし、安い」と満足そう。

 アンテナショップは、松浦市が福岡都市圏から人を呼び込もうと2012年に開設。年間1900万円で同社に運営委託し、店全体の昨年度の売り上げは目標額を約200万円上回る約1億1千万円。

 同社の平愛子取締役は「客のニーズと地元が売りたい物をすり合わせる作業が大切。どう松浦を発信するか、常に仕掛けを考えている」、松浦市福岡事務所の近藤健所長も「将来の移住につながる可能性もある」と期待する。
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 昨年7月、天神に店を開いたのは大分県・国東半島の4市村。同半島の世界農業遺産認定を発信するのが狙いだ。アンテナショップの運営協議会事務局は「福岡なら国東は日帰り可能圏内で足を運びやすい。朝鮮半島や東南アジアへのPRにもなる」。

 ジェラート店など約20店を展開するコレーゴ・アンド・パートナーズ(福岡市)に運営を委託する。加工品販売に加え、特産品を使ったジェラートやピザ、パスタなど女性を意識したメニューをそろえ、売り上げは好調。「物販だけでは赤字が膨らむ。食べてもらい物販につなげたい」(同事務局)という戦略だ。

 一方、昨年6月に大丸の福岡天神店へ移転した同県日田市は物販に特化。車で約1時間という地の利を生かし、地元から毎日届けられる産直野菜を目玉にしている。

 百貨店の集客力に加え、直売所のような安さが受け、1日400~500人が来店。同市商工労政課は「飽きられないよう、品ぞろえを見直していきたい」と話す。

 アンテナショップの支援や調査を手掛ける地域活性化センター(東京)は「自治体の関心は依然高く、出店は今後も増える」とみている。
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 人口減少や国際化、交通インフラ整備の進展など九州経済を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、経済活性化に向けた挑戦や模索が各地で続く。福岡を中心にその動きを追う。

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