みやビズ

2018年10月17日(水)
クロストーク

進学しない高校生が多すぎる

2018/02/23
20180222-1admin_image_1519284286.jpg宮崎総合学院(宮崎市)理事長 川越宏樹さん さまざまな分野に影響を及ぼす人口減少。多様な専門性を備えた人材を供給し、地域経済を支える専門学校の経営にも影響があるのではないかと考え、県内で6校、県外で3校を展開する宮崎総合学院の川越宏樹理事長を訪ねた。外国人留学生の受け入れにも積極的であり、その現状についても聞いた。

宮崎総合学院(宮崎市)理事長 川越宏樹さん


かわごえ・ひろき 慶応大経済学部卒。1986(昭和61)年に学校法人宮崎総合学院を設立。現在、九州4県で専門学校9校を展開する。日本青年会議所会頭、中央教育審議会特別部会委員などを歴任。県専修学校各種学校連合会会長。日南市出身。69歳。

かわごえ・ひろき 慶応大経済学部卒。1986(昭和61)年に学校法人宮崎総合学院を設立。現在、九州4県で専門学校9校を展開する。日本青年会議所会頭、中央教育審議会特別部会委員などを歴任。県専修学校各種学校連合会会長。日南市出身。69歳。

 さまざまな分野に影響を及ぼす人口減少。多様な専門性を備えた人材を供給し、地域経済を支える専門学校の経営にも影響があるのではないかと考え、県内で6校、県外で3校を展開する宮崎総合学院の川越宏樹理事長を訪ねた。外国人留学生の受け入れにも積極的であり、その現状についても聞いた。
(聞き手 小川祐司)

 -宮崎日日新聞社が実施したアンケートで、2018年は「業績改善が期待される」と見通している。市場縮小の中、どのような学生確保策を講じているのか。

 確かにパイが大きくなっているわけではない。県専修学校各種学校連合会の会員校数は05年度に30校を数え、3300人の学生が在籍していたが、現在は22校の2600人にまで減っている。

 そうした状況の中、同連合会でルールを整備し、本年度、県内一斉にAO入試を始めた。例年、AO入試をやっている福岡の専門学校が早めに宮崎に来て、高校生をバスで福岡に連れて行き、7月にエントリーシートを提出させるなど早期に学生を囲い込むためだ。これに負けないよう始動を早めたことが奏功した。また、外国人留学生の増加も業績改善につながっていく。

 -本県では就職を機に県外へ流出する高校や大学の新卒者が多く、新規高卒者の県内就職率は全国でも最下位に近い。専門学校の卒業生はどうか。

 県内の専門学校に進学する学生は、もともと地元就職が多い。宮崎総合学院では昨年度、県内(1期生が今春卒業する小林看護医療専門学校を除く5校)で約600人が卒業。うち6割が県内に就職した。例年でいうと、7割近くが県内就職で、残り3割も県外志向というわけではない。県外からの求人が業種を問わず非常に多く、しかも早く来るので、放っておけば県外に行く。宮崎は求人が遅い。

 ここで問題提起したい。宮崎は高卒就職率が非常に高く、3割にも達する。経済的な理由もあろうが、それでよいのだろうか。なぜ、もっと高い教育を受けさせようという運動にならないのか。高等教育は個人の付加価値を高める。資格の有無で収入も変わってくる。

 また、高校生の3割と言えば3000人。それだけの数の雇用を県内で吸収できるはずがなく、ある程度の数は県外へ流出してしまう。例えば、本県より人口が若干少ない富山県の高卒就職率は2割。就職者が少ない上、富山には雇用吸収力の高い企業が多い。こうした違いを考慮せず、本県高卒者の県内就職率を他県と比較するのは適当ではない。

 -それでも、地域や地域経済の活性化を考えると、少しでも県内就職率を高める必要がある。

 高校を卒業し、県内で進学する学生の進学先は4割が専門学校。大学や短大よりも多い。これがヒントだ。県内に残り、専門学校に進んだ学生の多くが県内に就職しているにもかかわらず、専門学校への経常費補助金はゼロ。大学と違い、授業料だけで経営している。補助金があれば、もっと授業料を下げられる。そうすれば、就職ではなく、専門学校への進学を考える学生が増える可能性がある。補助金が欲しいわけではない。県内に若者を残したいのなら、そのくらいのことをされたらどうですかというアイデアだ。

 -外国人留学生が順調に伸びているようだが、現状と今後について聞かせてほしい。

 昨年4月はグループ全体で300人が入学。今年4月は440~450人が入学予定となっている。国別ではネパール、ベトナムが圧倒的に多い。これは全国的な傾向だ。今後は海外からの入学者を1000人にまで増やしたいと考えている。

 多くの場合、留学目的は日本での就職であり、雇用条件が良いと思われている東京は特に留学生が多く、専門学校は満杯。そのため、東京や福岡など県外の日本語学校を出て、宮崎総合学院の専門課程に来る学生が年間で何十人もいる。

 日本語科から専門課程への内部進学を見ると、貿易やビジネス、ホテルマネジメントを学ぶ国際ビジネスコースが多い。このほか、大学進学や介護福祉士、2級自動車整備士の資格取得を目指す学生が目立つ。

 私たちはアジアを回り、入学から就労ビザ、永住権の取得に至るまでのスキームを明示して学生を募集している。ネパール、ベトナムの2カ国に依存している現状は好ましくなく、スリランカからの留学生を現在の6人から30~40人に増やすルートを確立した。ミャンマーでも30~50人のルートをつくりたい。さらに、インドネシアや韓国もターゲットにしている。

 -県内では人手不足が深刻だ。女性や高年齢者の活用にも努力の余地を残すが、外国人の取り込みにも目を向ける必要がある。

 外国人参加社会の実現をとなえている。外国人が参加しないと、もはや日本は成立しない。人手だけでなく、購買力や地域の活力といった観点からも重要だ。慎重論もあるだろうが、「人口構成比で10%まで」といった上限を設けたり、人手が不足している業種に優先的に人材を供給したりするルールを整備すればいい。彼らは3~5年間学べば、きちんと日本社会で働き、生活できる。現に、自動車整備などを手掛ける企業に就職したスリランカ人の卒業生は班長という重要なポジションを任されている。県内企業には外国人を積極的に採用してほしい。

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