みやビズ

2018年8月15日(水)
クロストーク

青島プロジェクトの目指すもの

2018/02/09
アラタナ(宮崎市) 濱渦伸次社長 宮崎市の旧青島橘ホテル跡地の再開発で優先交渉権を得た青島プロジェクト(宮崎市)。同社は宿泊施設やシェアオフィスなどの複合施設「青島ビーチビレッジ」を開発する計画だ。同社の発起人であり、同市のIT企業アラタナのトップを兼務する濱渦伸次社長に施設の概要や本県観光の将来性について聞いた。

アラタナ(宮崎市) 濱渦伸次社長


はまうず・しんじ 都城工業高等専門学校を卒業後、東京で事務機器・光学機器の大手メーカーに就職。同社を退職後、21歳のとき宮崎市でカフェをオープン。ホームページ作成の個人事業所や洋服店のスタッフなどを経て2007年、アラタナを設立。15年5月に株式交換によりスタートトゥデイの傘下となりアラタナ会長へ。17年6月から社長に復帰。宮崎市出身。1983(昭和58)年7月生まれの34歳。

 はまうず・しんじ 都城工業高等専門学校を卒業後、東京で事務機器・光学機器の大手メーカーに就職。同社を退職後、21歳のとき宮崎市でカフェをオープン。ホームページ作成の個人事業所や洋服店のスタッフなどを経て2007年、アラタナを設立。15年5月に株式交換によりスタートトゥデイの傘下となりアラタナ会長へ。17年6月から社長に復帰。宮崎市出身。1983(昭和58)年7月生まれの34歳。

 宮崎市の旧青島橘ホテル跡地の再開発で優先交渉権を得た青島プロジェクト(宮崎市)。同社は宿泊施設やシェアオフィスなどの複合施設「青島ビーチビレッジ」を開発する計画だ。同社の発起人であり、同市のIT企業アラタナのトップを兼務する濱渦伸次社長に施設の概要や本県観光の将来性について聞いた。

 -IT企業の経営者がホテル経営に乗り出す。決断に至った背景は。

 子どものころ、青島海水浴場でよく遊んでいた。当時は旧青島橘ホテルが営業しており、「なぜこんなに明るい海水浴場に寂れたホテルがあるのか」と疑問だった。やがてホテルが廃屋となり、自分も大人になって、跡地問題の背景に深い事情があることも分かった。

 この間、ずっと胸の奥に「自分が(跡地で)何かをやってみたい」という夢を持っていた。2008年に佐賀県の旅館などでつくる会社が再開発に着手したときには「先を越された」と残念だった。とはいえ、当時はまだ自分の会社のことで手いっぱいだったから、次のチャンスを待つことにした。

 そして、17年4月、再び開発事業者が募集されたときには運命を感じた。「やりたい」という思いだけですぐに説明会に参加し、同時に事業計画の作成に着手した。同5月にはアラタナも創業から10年となり、従業員も約150人となった。次のことに挑戦する節目でもあった。また、会社を地域に育ててもらったことへの恩返しの意味もある。

 -青島ビーチビレッジはどのような施設になるのか。どのように観光とオフィスを同居させるのか。

 ホテル、スパ、オフィス、プールの複合施設となる。シェアオフィスには既に入居を希望する会社もある。しかし、限られた企業だけでなく、もっと個人向けのオープンな空間にしたいと思っている。会員制オフィスのようなイメージだ。

 利用者は、朝起きてサーフィンをして、オフィスで仕事して、プールで泳ぐことができる。海まで0秒という環境を生かしたい。いまの経営者はスマートフォンが一つあれば、どこにいてもある程度の仕事はできる。そんな時代だから仕事と遊びの境目をなくすような新しい働き方を提案できる。観光と移住の中間にあるような、経済人や文化人が集まってメリハリのある働き方が実現できるような場をつくる。

 アラタナもオフィスを設置する。従業員は朝起きて、現在のカリーノ宮崎(宮崎市橘通東4丁目)と青島のどちらのオフィスにも出社できるようにする。新しい働き方のモデルを示すことで、「こんな働き方ができるなら宮崎にオフィスを置きたい」という会社が現れ、宮崎に進出してくれると、経済効果も生まれる。

 -ホテル経営はどのように進めていく予定か。投資額は12億5000万円になるとの発表だ。どのように調達するのか。

 宿泊、リゾート、飲食分野は素人で私自身は“IT屋”にすぎない。若くて経営者として経験が少ないとしても、応援してくれる人はいる。また、それぞれの専門分野のエキスパートを雇うことでカバーしていく。青島財産区の方からも歓迎してもらっている。

 資金については昨夏に金融機関から調達できる見込みがついた。青島に対する夢や情熱を認めてもらえた。当初発表した計画に変更が加わり、投資額は公表額を上回りそうだ。

 -衣料品インターネット通販の「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイ(東京)の子会社になり今年5月で3年となる。一部上場の新進気鋭の企業だ。傘下になったことにより、どのような刺激を受けたか。また、昨年6月にはアラタナの会長から社長に戻り、再登板することになった経緯は。

 スタートトゥデイと株式交換した当時から、同社株式の評価額は3倍となり、グループの時価総額は1兆円の大台に乗った。同社の前沢友作社長はユーザーを感動させる才能にたけている。ZOZOスーツを使った衣料品の提供など誰も考え付かないことを実行する力を持っていて、ビジョンや理念にうそがない。プライベートブランド(PB)の「ZOZO」にもビジョンとストーリーがある。前沢社長から得た刺激を青島プロジェクトにも込めている。宮崎の人を感動させ、夢を持たせたい。

 アラタナの社長に戻ったのは、グループからの命令的なものではなく、アラタナの成長が見込める部分を伸ばすためだ。今後、雇用、売り上げ規模などを10倍以上に伸ばせるだろう。今年4月からは従業員の多様な働き方を支援するため、昨年10月に人事制度を刷新。副業を認め、就業時間もフレックス制を導入した。また、今年4月からはコールセンターのスタッフもエンジニアも初任給は25万円となる。これもチャレンジの一つ。

 青島ビーチビレッジもアラタナの取り組みも宮崎らしい働き方を示すことができるといい。これからの時代は仕事や職場が好きであることが理想となる。従業員の人生を考えながら、ビジネスモデルをつくりたい。

アクセスランキング

ピックアップ