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2018年7月16日(月)
クロストーク

九州観光の振興に向けた取り組み

2017/12/15
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九州観光推進機構(福岡市)事業本部副本部長 緒方保宜さん 「九州はひとつ」の理念の下、九州観光戦略を主導する九州観光推進機構。勢いを増すインバウンド(訪日外国人客)需要を取り込むため、官民協力の実行組織としてどのような戦略を立て、どのような取り組みをしているのか、事業本部の緒方保宜副本部長に聞いた。

九州観光推進機構(福岡市)事業本部副本部長 緒方保宜さん


おがた・やすのり 1992年、JTB入社。2012年からJTB九州経営企画課長、14年から同宮崎支店長を務め、今年2月から現職。九州観光広報センター長も兼務する。長崎県佐世保市出身。48歳。

 おがた・やすのり 1992年、JTB入社。2012年からJTB九州経営企画課長、14年から同宮崎支店長を務め、今年2月から現職。九州観光広報センター長も兼務する。長崎県佐世保市出身。48歳。

 「九州はひとつ」の理念の下、九州観光戦略を主導する九州観光推進機構。勢いを増すインバウンド(訪日外国人客)需要を取り込むため、官民協力の実行組織としてどのような戦略を立て、どのような取り組みをしているのか、事業本部の緒方保宜副本部長に聞いた。
(聞き手・福岡支社・鬼束功一)

 -九州への外国人観光客がかなり伸びているが、その内訳は。

 九州で直接入国手続きをした外国人の推移をみると、2007年の92万人が16年には372万人へと4倍以上に伸びた。17年も1-9月合計と10月通常入国分(速報値)を合わせて計393万人となり、10月時点で年間累計の過去最高を更新。年間では500万人に迫ると見込まれている。

 16年を国籍別にみると、韓国37.3%、台湾8.0%、中国5.6%、香港5.0%。クルーズ船からの上陸は37.9%に上り、その乗客の95%以上は中国人。入国者のほとんどが東アジアからというのが現状だ。

 -東アジアから、九州が身近な観光地として認知されたということか。

 特に韓国では「身近で、手ごろに行ける観光地」として認知度が高まっている。ただ、1泊2日といった短期間で北部九州を中心に訪れる旅行者が増えており、1人当たりの旅行消費単価は減少傾向にある。

 九州は全ての県に空港があり、しかも各県から国際線が就航し、LCC(格安航空会社)の就航も増えてきている。また、クルーズ船が寄港できる港も博多、長崎、油津など多数あり、観光客を受け入れるポテンシャルは高い。

 観光消費額を増やすためにも、そのポテンシャルを生かし、九州を周遊するような観光ルートの構築が必要と捉えている。加えて、観光消費額を上げるためには東アジアからの観光客だけではなく、旅行滞在日数の長い欧米豪から観光客を増やしていくことも大切と考える。その際、各地が点として取り組むのではなく、食や歴史、文化といった共通のテーマのもとで連携し、九州全体の魅力として深く発信していかなければならない。

 -具体的な取り組みは。

 ラグビーワールドカップ(RWC)2019の開催都市に福岡、熊本、大分市が選ばれた。参加20カ国のキャンプ地も国ごとに選定が進む予定であり、海外から訪れる選手や観客、報道陣へ九州をアピールする絶好の機会と捉えている。具体的な例として、まずは欧米人向けの三つの観光PR動画「ONSEN ISLAND KYUSHU JAPAN」を制作し、温泉を基軸に、欧米人の目線で九州の文化や歴史、人々の日常生活を伝えるなどしてプロモーションを進めている。

 今後来訪が期待される欧米豪の旅行者に対し、九州のファン、またリピーターとなってもらえるよう受け入れ体制の整備や市場ごとの戦略策定、プロモーションや情報発信を行い、RWCやオリンピック・パラリンピック終了後も永続的に九州を来訪していただけるような取り組みにしていきたい。

 -九州が一体となった取り組みが、より重要になる。

 熊本地震では、熊本県のみならず九州全県において観光客数が大幅に減少した。九州7県と連携し国への緊急要望活動を行い、復興支援策「九州ふっこう割」を実行できた点は、九州一体となり取り組んで得られた大きな成果と考えている。

 本年度、オール九州の中長期的な観光戦略(第2期九州観光戦略)では、観光消費額の最終目標(23年)を3兆5000億円から4兆円に上方修正した。目標達成のためには、大きな拡大が見込めるインバウンド市場を強化していくことが必要であるが、さまざまな施策を九州一体となって取り組んでいくことが最重要と考える。

 観光は裾野の広い産業。その観光を、真の意味で九州の基幹産業とすることができれば、多くの人々や地域が恩恵を受けられる。これからの人口減少社会において、観光が九州経済の発展に寄与できるよう取り組んでいきたい。

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