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2018年7月16日(月)
クロストーク

空港利用300万人突破の背景

2017/06/23
 宮崎ブーゲンビリア空港の2016年度の利用者数が306万1300人となり、9年ぶりに300万人を超えた。利用者増加の背景や今後の動向について、県総合交通課の小倉佳彦課長に尋ねた。20170622-1admin-image-1498121841.jpg

県総合交通課長・小倉佳彦さん


 おぐら・よしひこ 早稲田大卒。2005年に国土交通省に入省し、北陸地方整備局や航空局などに勤務。16年4月に県へ出向、県土整備部空港・ポートセールス対策監兼観光経済交流局を経て今年4月から現職。休日の楽しみは温泉巡りで、県内でのお気に入りは西米良温泉。1981(昭和56)年生まれの36歳。北海道出身。

 おぐら・よしひこ 早稲田大卒。2005年に国土交通省に入省し、北陸地方整備局や航空局などに勤務。16年4月に県へ出向、県土整備部空港・ポートセールス対策監兼観光経済交流局を経て今年4月から現職。休日の楽しみは温泉巡りで、県内でのお気に入りは西米良温泉。1981(昭和56)年生まれの36歳。北海道出身。

 宮崎ブーゲンビリア空港の2016年度の利用者数が306万1300人となり、9年ぶりに300万人を超えた。利用者増加の背景や今後の動向について、県総合交通課の小倉佳彦課長に尋ねた。

 -300万人突破の主な要因は。

 大きな要因は、格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの関西線の通年運航。搭乗率も高く、全体の数字を押し上げてくれた。路線別では羽田、福岡も好調だった。羽田は現在の1日18便になってからは11年度が底だったが、そこから比較すると約20万人伸びている。福岡については熊本地震で道路が寸断されたことなどで、代替交通として機能したとみている。

 また、飛行機を利用するハードルも下がっている。大手航空会社でも値下げが進んでおり、以前は羽田は片道2、3万円だったが、現在は最安で1万円を切る価格で乗れるようになった。利用者は航空会社の価格競争の恩恵を受けている。

 -ピーク時の1997年度は年間347万人だった。その意味では300万人突破はまだ通過点ではないか。

 もちろん最終的な目標ではない。低迷期からはい上がってくる時の、一つの区切りとしての数字。そもそも航空業界は燃油価格や国際情勢などに影響を受けやすく、ボラティリティ(収益変動性)の高い業界だ。その間、リーマンショックや東日本大震災など社会にはさまざまな動きがあった。逆風が多くあった中で、ひとまず300万人台まで回復できたのは良かったと言える。

 昨年度の利用者数は、九州では福岡、鹿児島に続く3位、全国では11位。仙台(宮城県)と僅差で争っており、地方空港としては高い水準にある。新幹線やバスなどその他の交通機関との兼ね合いもあるが、LCCや国際線の需要増により、まずはピーク時の数字を目指して努力していく。

 -利用者数を増やすには、既存路線の増便や新路線誘致が欠かせない。誘致活動の状況は。

 交渉状況は説明しづらいが、国内線ではLCCによる成田線の誘致が重要と考えており、数年前から動いている。昨年の県民アンケートでは、約7割が成田線の就航を望んでおり、需要がある以上はしっかりと取り組みたい路線だ。

 国土交通省航空局の統計によると、航空旅客の約1割をLCCが底上げしているとされている。これは従来の便からの乗り換えでなく、安価なことから新しい選択肢となる上積みの需要だ。既存路線との取り合いも多少はあるだろうが、LCC誘致は大きく旅客数を伸ばす要因になる。

 一方、人を呼び込み、県民に安い料金で飛行機を利用してもらいたい気持ちはほかの都道府県も同じ。非常に誘致合戦は激しい。航空会社にとっては、通年で安定して搭乗客がいるかが大事。宮崎には高い需要と魅力があることをしっかりとアピールしなければいけない。

 -本県へのインバウンド(訪日外国人客)が過去最多を更新するなど明るい材料がある。今後、本県が伸びるポテンシャルについてどのように感じているか。

 宮崎は地理的に優位性があると考えている。鹿児島、熊本と隣県に空港があり、「南九州」として観光周遊ルートが組みやすい。観光客は自分の住んでいる国、地域にないものを求めて訪れる。そういった意味で、伝統の神楽や日本神話に基づくパワースポットなど唯一無二の財産がある本県は競争力が高いと思う。増えているインバウンドに対して、関係機関と連携を強化した上で、本県の情報を積極的に発信していきたい。

 空港の利用者数を伸ばす視点で言えば、本県から出て行くアウトバウンドの後押しも大切。県民のパスポート取得を補助する事業など支援を続け、県民の海外への関心を高めていきたい。実は全国でもここまで国際線が充実している地方空港はなかなか見当たらない。県民は気軽に海外へ出掛けられる環境があることを誇りに感じてほしい。
          
(聞き手・佐藤友彦)

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