みやビズ

2018年5月21日(月)
  • ホーム
  • クロストーク
  • 高評価のおもてなし 雲海酒造「酒泉の杜・綾陽亭」接客課主任 上床百合子さん
クロストーク

高評価のおもてなし 雲海酒造「酒泉の杜・綾陽亭」接客課主任 上床百合子さん

2017/02/10
お客さまの数だけ接客の形がある 第42回(2017年)プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(旅行新聞新社主催)の「もてなし部門」で、綾町の「酒泉の杜・綾陽亭」が過去最高の29位に入った。

お客さまの数だけ接客の形がある


うわとこ・ゆりこ 宮崎中央高(現鵬翔高)卒。大阪で就職し、営業事務に就く。帰郷後は税理士事務所などに勤務。「酒泉の杜」に転職し、2010年から接客課に籍を置く。「ここに来て、初めて人に接する仕事に就いた。最初は緊張したけれど、楽しくて。向いていたんですかね」と笑う。国富町出身。59歳。

うわとこ・ゆりこ 宮崎中央高(現鵬翔高)卒。大阪で就職し、営業事務に就く。帰郷後は税理士事務所などに勤務。「酒泉の杜」に転職し、2010年から接客課に籍を置く。「ここに来て、初めて人に接する仕事に就いた。最初は緊張したけれど、楽しくて。向いていたんですかね」と笑う。国富町出身。59歳。

 第42回(2017年)プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(旅行新聞新社主催)の「もてなし部門」で、綾町の「酒泉の杜・綾陽亭」が過去最高の29位に入った。綾陽亭は、雲海酒造(宮崎市)が「蔵元綾酒泉の杜」で運営する宿泊施設で、同部門入選の常連。高い評価を受ける理由を聞いた。

 -「もてなし部門」で初の20位台。毎年、高い評価を受けている。

 おもてなしは昔から目配り、気配り、心配りといわれているが、まさにこれに尽きる。お客さまが今何を求めていらっしゃるか、どうしたらご満足いただけるか、ということを常に心掛け、行動することが大切だと思う。一組のお客さまをお迎えするに当たり、清掃、フロント、調理というようにさまざまなスタッフが携わるが、どれか一つに不備があっても満足のいくおもてなしはできない。おもてなしの心を持って、各部署がそれぞれの役割を果たしていることが高い評価につながったのではないか。

 また、私どもでは、お客さまのお出迎えからお食事の提供、お見送りまで1人の接客係が担当するようにしている。滞在中、同じ人間が接客させていただくことで安心感、親近感を覚えながらおくつろぎいただけている。こうした点も評価の対象になったと思う。

 -現在のおもてなしレベルに到達するまでに、どのような苦労があったのか。

 おかげさまで綾陽亭も29年目を迎えることができた。今までに関わった人は数知れず、その時その時での苦労もあったと思う。先輩から指導を受け、先輩の教えに基づいて次の人たちが育つ。そうした長年の積み重ねがレベル向上につながったと感じる。私たちも次の人たちに引き継ぐべきことがたくさんある。どう引き継いだらいいのかを考える毎日だ。一方で、何か問題が起きたら、その都度、問題を共有し、どう対応したのかを検証することで日々のレベルアップにも努めている。

 -おもてなしの心を全ての従業員に浸透させるのは難しいことだと思うが、どのような従業員教育をしているのか。

 新入社員教育では先輩が指導係となり、同じシフトで勤務してもらう。裏方の作業から、基本となるお客さまの接客まで1~2カ月ほどをかけて指導する。その後は本人の日々の努力と先輩のサポートで一人前に育ってくれる。おもてなしは画一的である必要はない。経験を積む中で、その人なりの接客観、おもてなし観が生まれてくる。それはそれで魅力的なことではないか。

 -マニュアルや外部講師による社内研修などがあると思っていたので意外だ。

 言葉で伝えることには限界があるし、お客さまの求めるもの、満足の対象はそれぞれに異なる。お客さまの数だけ、おもてなしの形もあるわけであり、決まった形、一つだけの正解というものはない。最初に話したが、大切なのは目配り、気配り、心配り。例えば、お客さまの動作や会話から膝が痛そうだと分かれば、座面の高い椅子とそれに合った高さのテーブルのご用意を提案する。「青島神社と日南海岸に行きたい」と言われれば、行き方をお教えするだけでなく、インターネットから資料をそろえてお渡しする。「何をしたら喜んでいただけるか」を常に考え、お客さまと接し続けていれば、「何をしたら」が勘で分かるようになる。

 -外国人旅行者にはどのように対応しているのか。

 最近では台湾、中国の個人客がお見えになるが、片言の日本語を話せる方が多い。チェックイン時にフロント係が館内の説明や夕食時間の確認などを英語で行うが、全てのスタッフが外国語を話せるわけではないので、スマートフォンの翻訳アプリを活用するなどしている。訪日観光客も増えてきているので、今後、外国語の習得も必要になるのではと感じている。

 -本県のおもてなしレベルを上げるための提言が欲しい。

 難しいことは分からないが、(全県的に取り組む)「おもてなし日本一推進」のシンボルマークと標語にあるように、県民の温かい心や笑顔が最高のおもてなしであり、いつもおもてなしの心を持って対応しようという姿勢こそが「宮崎らしいおもてなし」を確立することになるのではないか。
(聞き手 経済部・小川祐司)

アクセスランキング

ピックアップ