みやビズ

2019年8月21日(水)
クロストーク

さらなる高みへ「卵の総合商社」 アミューズ社長 赤木八寿夫さん

2017/02/03
 社長就任から10年足らずで企業グループの売上高を約7倍の100億円規模に拡大させた若手経営者のホープ。グループの拡大により、養鶏、採卵、加工を一貫して行う「卵の総合商社」としてさらなる高みを目指している。
あかぎ・やすお 日向市出身。日向高、上智大卒。米国のウィスコンシン州立大へ留学し、卒業後に現地で経営学修士(MBA)を取得。2000年に赤木種鶏場(現アミューズ)に入社。05年に専務就任、06年から現職。09年に日本鶏卵生産者協会理事、10年に日本養鶏協会理事に、いずれも最年少で就任。フュージョン社長も兼務する。

あかぎ・やすお 日向市出身。日向高、上智大卒。米国のウィスコンシン州立大へ留学し、卒業後に現地で経営学修士(MBA)を取得。2000年に赤木種鶏場(現アミューズ)に入社。05年に専務就任、06年から現職。09年に日本鶏卵生産者協会理事、10年に日本養鶏協会理事に、いずれも最年少で就任。フュージョン社長も兼務する。

 社長就任から10年足らずで企業グループの売上高を約7倍の100億円規模に拡大させた若手経営者のホープ。グループの拡大により、養鶏、採卵、加工を一貫して行う「卵の総合商社」としてさらなる高みを目指している。

 -2006年の社長就任から経営統合や事業拡大などで企業グループを急速に成長させている。
 
 08年に倒産した都城市の大規模養鶏会社を承継したことが社業拡大のきっかけとなった。同社とのひよこの取引は売り上げの25パーセントを占めていた。倒産は自社にとっても死活問題となる恐れがあった。しかし、当時売上高15億円の自社が50億円の企業を取得することや、事業になかった鶏卵パック工場「GPセンター」を持つことになるため、資金調達のための再生プランを作成した。

 経営再生には設備の自動化や衛生管理をしやすいGPセンターに建て替える必要があった。最終的に地銀や公庫からの協調融資で30億円を借り入れるプランを作り、新会社フュージョン(都城市)を設立して事業承継した。採卵会社が新たにグループに加わったことで、種鶏の育成、種卵生産から出荷までの一貫体制ができ、社業拡大の足掛かりとなった。

 さらにフュージョンは昨年、経営が悪化した鶏卵販売・加工の岡崎鶏卵グループ(都城市)と事業統合で基本合意。同社の加工と販売部門を統合し、フュージョンオッケーたまご加工センターでは厚焼き卵、だし巻き卵、ゆで卵を製造してスーパーなどの小売店や飲食店などに卸している。加工業務を持ったことで「卵の総合商社」としての強みが一層増した。

 -消費者目線だと卵は見た目が大きく変わらない。市場競争の中で他社商品との差別化をどう進めるか。

 国内鶏卵産業は先進国の欧米に比べるとかなり遅れている。欧米では徹底したデータ管理で卵を生産しており、自動化も進んでいる。父で前社長の赤木紀元会長からは「製造業のように養鶏業をやれ」と言われてきた。つまり、生産工程をすべて管理して一定した品質と量を生産するということ。高品質の商品を安く販売すれば何もしなくても売れるからだ。
  
 鶏卵産業は国内では農業という位置付けで、「自然が相手だから」「生き物が相手だから」と言って管理が行き届いていない企業も多い。ニワトリは気温の変化に食べる餌の量が変化し、それによって卵のサイズも変わる。寒いと餌をたくさん食べるのでタンパク質が多くなり卵が大きくなる。

 大きい卵は風船と同じように殻が薄くなり、割れやすくなるのでロスが多く、市場でも安値が付きやすい。自社では卵のサイズをコントロールするために、鶏舎の室温をファンによる風量を調整することで管理。卵のサイズをコントロールできれば冷暖房費のコストも吸収できるという発想だ。

 海外を参考にした採卵場づくりも進めており、鶏ふんを集めるベルトコンベヤーや給餌量を量る機械などを独自に輸入している。コストの7割を占める餌代を適時把握することでコスト管理もできるようになっている。国内最先端の採卵場という自負がある。高品質の卵を低価格で提供できる体制が強みだ。

 -人口減少の中で市場は縮小し、販路拡大など難局を迎える。どのように生き残りを図るか。

 食の安全安心は今や当然のように消費者に浸透している。安心についてはイメージに訴えるものが多く数値化しにくい。しかし、安全についてはさまざまな基準値があり、信頼のできる数字として示すことができる。

 自社工場は洗浄や殺菌、目視検査など国内最高水準の検査体制を整備しており、検査水準の非常に高い大手飲食チェーンや大手流通との取引実績が安全性の高さを証明している。こうした安全への取り組みをもっとPRしたい。液卵についても市場の成長性はまだまだ高い。

 欧米で取り組みが進んでいる快適な環境で家畜の苦痛を減らす「アニマルウェルフェア」(動物福祉)に対応した採卵場の建設も進めている。付加価値の高い商品を作って市場で販売して商品性を試していく。

 また、国産の卵は安全管理が高く、生で食べることができる。これは海外では考えられないこと。アジアで日本の食材にお金を惜しまない富裕層が多く、国産卵は注目度が高まっている。2020年東京五輪・パラリンピックまでに国産卵の付加価値を海外にどれだけ知ってもらえるかが勝負となる。(聞き手 経済部・巣山貴行)

アクセスランキング

ピックアップ