みやビズ

2018年5月20日(日)
寄稿コラム / くらしの中で旅をする~交流の旅が育む地域愛~(福永栄子)

暮らしの見える風景を愛する「みちくさ」

2014/03/06
 私の好きな風景。延岡に流れ込む五ヶ瀬川。九州の中央山地や、阿蘇外輪山に源を発し、流域には豊かな暮らしが広がる。鮎釣り舟が浮かぶ川面は、陽光を受けキラキラと光り、秋の風物詩・鮎やなは古くから伝わる流域人の暮らしを演出する。川沿いにある高千穂鉄道の鉄橋の跡、鉱山跡など、当時の暮らしを心に浮かべ、歴史ロマンに心を馳せながら、旅情は高まっていく。熊本市内から続く日向往還の道を上っていくと、旧街道沿いには豊かな暮らしが広がる。牛小屋に畑、焼酎蔵に神社など、心打たれずにはいられない暮らし風景。

悠然と流れる五ヶ瀬川。岸には鮎釣り船が着けられている

悠然と流れる五ヶ瀬川。岸には鮎釣り船が着けられている

五ヶ瀬川で鮎釣りに興じる

 五ヶ瀬川で鮎釣りに興じる

延岡市の秋の風物詩「鮎やな」

 延岡市の秋の風物詩「鮎やな」


 先人から伝わった自然と共生する生き方や「結」などの日本の暮らし文化が、今まだ生活のあちらこちらに残っている暮らし。

 地域交流誌「みちくさ」の編集長として、南・中九州の奥深い魅力を伝え始めて、早14年の月日が流れ、今年は秋に15年目を迎える。14年たった今でも一番好きな仕事は、地域に入り込んでの取材である。特に西米良村や日之影町や椎葉村など中山間地域に行くのが好きである。

日之影町の道沿いには、暮らし風景が広がる
日之影町の道沿いには、暮らし風景が広がる

日之影町の道沿いには、暮らし風景が広がる

稲の掛け干しの風景。地域によって掛け方が変わるからおもしろい

稲の掛け干しの風景。地域によって掛け方が変わるからおもしろい



 私だけでない。「みちくさ」を創っているスタッフたちひとりひとりが地域によって育てられている。「みちくさ」のメインのカメラマンの有田知永君もその一人。彼が撮った写真のひとつひとつに暮らしという魔術が入り込み、川や海、山々に、深い魅力が宿っていく。

 写真に写された入り江に、一艘の船が走るだけで、写真に命が吹き込まれていく。茶畑に老人が立つだけで、暮らしの魅力が見えてくるのである。

軒下に吊るされた干し柿が、風情を醸し出している

軒下に吊るされた干し柿が、風情を醸し出している

中山間部に入ると、所狭しと棚田が張り巡らされている

中山間部に入ると、所狭しと棚田が張り巡らされている

 取材陣だけでない。デザイナーで小林市出身の楠元孝哉君、佐土原出身の山崎真司君と井口朋子さんもまた、(株)アイロードが行っている地域コーディネータとしての職務の関係もあり、ムラの中に入り、人と交流していくことが多い。地域に触れ合うことで、デザインは華美に誇張するものではなくなり、地域の姿をできるだけ素直に心に響かせる、見る人の心にストレートに届いていくようなデザインを心がけるようになっている。

肥後藩と延岡藩を結んだ日向往還。今でも名残のある旧跡が多数存在する

肥後藩と延岡藩を結んだ日向往還。今でも名残のある旧跡が多数存在する

開聞岳に沈む夕日に漁船が地域の暮らしを伝える

開聞岳に沈む夕日に漁船が地域の暮らしを伝える

 文章もそうである。多くは語らず、来てみたいと思わせるほどで文章は終わらせることが大切。実際に来たときの感動を残しながらも自分で行ってみたい・・・と自然に思わせるような文章にしたい。

 それには、「人」を語るのが一番というのが、「みちくさ」のコンセプト。人は書きすぎても大丈夫。まだまだ魅力があるから。魅力を書き過ぎないということは、誌面創りで、実は一番、難しい。というのも、地域の魅力は満載で、ついつい全てを書いてしまいたくなるから。そこを腹6分目で終わらせていくことに日夜、努めながら、みちくさ取材陣は今日も地域を巡っている。

地域に入るのが大好きな、みちくさカメラマンの有田君

地域に入るのが大好きな、みちくさカメラマンの有田君

左から)デザイナーの山崎君、楠元君、井口さん。3人とも個性的だが、地域はもっと個性的

左から)デザイナーの山崎君、楠元君、井口さん。3人とも個性的だが、地域はもっと個性的

 さて今回のコラムでは、私を取り巻く「みちくさ」スタッフたちの写真を掲載してみたい。全部で20名だが、今回は、話題に出てきた4人を紹介する。

 みやざきバルウォーク『はるバル2』でも皆、一生懸命に地域の魅力発信のお手伝いをしてくれた。はるバル2は、3月31日まで開催している。参加店舗および弊社アイロードオフィスでチケットを販売中。弊社に来てくださった方を、楠元君たちが心温かく迎えてくれることになるだろう。

 ちなみに余談ではあるが、全員独身である!

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