みやビズ

2017年12月16日(土)
寄稿コラム / くらしの中で旅をする~交流の旅が育む地域愛~(福永栄子)

養殖人間になりかけた…

2013/12/26
みちくさ2013年始号で通巻70巻を迎えた

みちくさ2013年始号で通巻70巻を迎えた

 誰かと目があったら、会釈をする。

 ごく当たり前の行為だが、今の世の中は、
そんな風には、なかなか生きていけない。

 通勤途中、何度か目があって会釈したら、勘違いされ、以来、ストーカーされ、恐い思いをしたなど、悲しい話も聞いた。子ども達に、ちゃんと挨拶しようねと、学校で「あいさつ運動」など実施しているかたわらで、おとなたちは何かにつけ、毎日のように「知らない人と口を聞いたらだめよ」と、言い聞かせながら子どもたちを電車で通学させている現代、人の生き方の難しさを感じると同時に、真の幸福を、つい訴求したくなる。

人には自分の空間というものがある。

 椎葉では、ひとつの尾根に、ひと家族というほど、隣家との距離がある。西米良村も人口1260人ほどだが、守るべき、山深いが広い土地と共に暮らしている。

ひとつの尾根に、ひと家族といわれる椎葉村。秘境向山地区の椎葉吉人さん宅からの風景

ひとつの尾根に、ひと家族といわれる椎葉村。秘境向山地区の椎葉吉人さん宅からの風景

 神奈川県で育った私は、「殺人的」という形容詞が、まだまだ、なまぬるく感じるほどの超満員状態の横須賀線に押し込まれて大学まで通学した。前の駅で、これ以上乗り込めない状態だった列車に、西米良村の数ほどの人間が乗り込もうというのだから、ホームから落ちそうなほどの人だかり。その人たちが一斉にドアに駆け込むわけだから、まさに殺人的。後ろから「押し屋」といわれる人たちが必死に押し込んでくれ、待っている人の20%ほどが何とか乗り込む。体操着などをビニール付の紙袋などに入れて乗ろうものなら、中身はすべて落ちてしまい。取っ手だけになっているのは、まだ取っ手があるだけ、ましな状態だった。

 大げさな話ではない。本当の話。

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