みやビズ

2017年12月15日(金)
記者コラム / 巣山貴行

本県経済は遅れていない

2017/12/01
 宮崎市で先日開かれた布野幸利・日銀政策委員会審議委員の記者会見に出席した。国内外の新聞、通信社の記者が詰め掛け、日銀が大量に買い入れている上場投資信託(ETF)や、現行の金融緩和策について布野審議委員が見解を語った。
本県の経済を発展させる鍵について語る日銀政策委員会の布野幸利審議委員

本県の経済を発展させる鍵について語る日銀政策委員会の布野幸利審議委員

 宮崎市で先日開かれた布野幸利・日銀政策委員会審議委員の記者会見に出席した。国内外の新聞、通信社の記者が詰め掛け、日銀が大量に買い入れている上場投資信託(ETF)や、現行の金融緩和策について布野審議委員が見解を語った。

 日銀は金融緩和策の一環でETFをこの1年は年間6兆円のペースで購入しており、2010年以降の累積購入額は16兆円に達する。株式市場の価格を誘導してしまう危険性や、上場企業の大株主になることで“国有化”されることを懸念する意見も多い。また、日銀の動向には株式市場も敏感に反応するため、政策への投票権を持つ審議委員の発言は注目度が高く、会見場からリアルタイムで記事を配信している姿が多く見られた。

 その応答の中で、地方紙として印象に残ったのは、通信社や全国紙が配信しないやりとりだった。それは、「都市部を中心とした景気の拡大と比較して、本県の回復は遅れているのではないか」というある記者の質問への布野審議委員の答えだった。

 この問いに対し、布野審議委員は「(宮崎の)経済が遅れているというのはあくまでも平均を見た場合」と反論。宮崎牛、本格焼酎、ふるさと納税の寄付額など、日本一に輝く生産者や企業、行政の取り組みを挙げ、「後れをとっている」との見解を一蹴した。そして、「さまざまな努力を続けていくことが宮崎の経済を確かなものにする」と力を込めた。

 平均値だけを捉えて嘆くのではなく、特徴と魅力のある成長分野や産業を手本にして、全体を底上げしようという本県への応援メッセージにも聞こえた。「努力を続けていく」という言葉はとても前向きで、「よだきんぼ」とも呼ばれる県民性のダメな部分をずばり指摘されたようだった。

 そして自問自答である。日々努力と工夫を重ねているだろうか。できない理由を並べてあきらめてはいないだろうか。一人一人が努力を続けることが宮崎を少しずつ良くする。布野審議委員の言葉を何度も反すうしている。
(巣山貴行)

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