みやビズ

2017年10月18日(水)
記者コラム / 巣山貴行

人材難を乗り切る発想

2017/04/21
 1000、400、100。この数カ月、本紙の見出しに掲載された数字だが、県内経済に関心の高い読者ならピンと来る方も多いのではないだろうか。答えは誘致企業や既存企業の規模拡大による新規雇用者数だ。
「人はビジョンに集まる時代」と語った枡野恵也社長

「人はビジョンに集まる時代」と語った枡野恵也社長

 1000、400、100。この数カ月、本紙の見出しに掲載された数字だが、県内経済に関心の高い読者ならピンと来る方も多いのではないだろうか。答えは誘致企業や既存企業の規模拡大による新規雇用者数だ。

 1000人はイオンモール宮崎(宮崎市)、400人は宮崎日機装(同)、そして100人は中国木材(広島県呉市)の日向工場。このうち、宮崎日機装は「事業が順調に推移すれば1000人規模の雇用も吸収できる」としており、周辺の企業間で人材獲得合戦に発展する気配が漂う。

 小規模事業所でも人材獲得の競争は激しい。コンビニでは入り口の最も目立つ場所にアルバイト募集の看板を立て、求人誌では小売店や飲食店の特集を組むなど躍起だ。時給が最低賃金を200円以上も上回る求人も多く、職場紹介の写真では従業員たちが精いっぱいの笑顔で明るい職場をPRしている。しかし、同じような広告が多く、差別化ができているとは言い難い。

 そんな中、人材確保についてヒントになるような言葉に出合った。日向市に直営工場を置く男性用高級下着ブランドTOOT(トゥート、東京)の枡野恵也社長を取材したときだ。同社も求人で苦労した経験があるが、ストーリーを語ることで人材難を乗り切った。

 具体的には、工場で縫製しているパンツが国内最高の仕上がりであることや、世界にもっと販路を拡大しようという会社のビジョンを求人でしっかり伝えたという。時給を引き上げるわけでもなく、PRの仕方を変えたことで応募がぐんと増えたというから、目からうろこだ。

 枡野社長は「消費がモノからコトへ変化するように、働く側も金銭だけでなくやりがいを求めている時代」と言い切る。従業員も誇りと使命感があり、職場に漂う適度な緊張感と、休憩中の従業員たちが見せるにこやかな表情が何よりも仕事の充実度を物語っていた。
 
 枡野社長は「人はビジョンに集まる時代になっている」とも話した。高い技術力や独自のサービスがある企業は、ぜひ自信を持ってもっと前に出て語ってほしい。輝くものや自分を輝かせるものに人は集まる。
(巣山貴行)

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