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2020年2月24日(月)
記者コラム / 巣山貴行

「肥薩同盟」必殺技となるか

2014/12/19
経営統合の基本合意について会見を開き発表した鹿児島銀行。肥薩同盟の次の一手が注目される=11月、鹿児島市・鹿児島銀行本店

経営統合の基本合意について会見を開き発表した鹿児島銀行。肥薩同盟の次の一手が注目される=11月、鹿児島市・鹿児島銀行本店

 鹿児島銀行と肥後銀行が経営統合を目指すことになった。一報に触れてまず思い付いたのが「薩長同盟」だ。激動する幕末、薩摩、長州の両藩が軍事、政治で手を結び歴史を転換させるウルトラCの出来事だったと覚えている。

 今回の経営統合の場合、“肥薩同盟”と呼ぶのが正確だ。経営統合を目指す背景には、人口減少による地域経済の衰退、収益基盤の低下をスケールによる効率化でカバーしようという考えがある。薩長同盟と同じく、危機感を共有することで、統合という選択肢が生まれたというわけだ。まさに歴史をなぞるようだ。

 また、両行の頭取は慶応大商学部の同期。学生時代の面識こそなかったものの、福岡支店長時代に親睦を深めたことから、地銀の将来について語り、酒を酌み交わす仲だったことも興味深い。加えて、同大学出身の地銀頭取が集う「三田会」の存在も大きく、トップの人脈がどれほど大切なのかがうかがい知れる。

 両行が経営統合の基本合意を発表した数日後、この三田会が都内の料亭で開かれた。その席で東海地方の地銀頭取が、鹿銀と肥後銀の頭取に酒をつぎながら来秋設立する持株会社の名称を提案したという。その名も「必殺銀行」。「肥薩」と「必殺」を懸けたジョークであるのは言うまでもない。

 地銀の経営状態の良しあしは、地域経済の健全性の指標とも言える。地銀の地域経済への責任はそれだけ重いものだ。県境をまたぐトップ地銀の統合が南九州の地域経済の縮小を止め、発展させる“必殺技”となるか。他行の動きも含め、地銀の動向に来年も目が離せない。(巣)

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