みやビズ

2017年10月20日(金)
記者コラム / 鬼束功一

水素の夢追う地方企業

2017/09/22
 地球温暖化防止に向けた世界規模での対策が急がれる中、水素が二酸化炭素(CO2)を出さない次世代エネルギーの一つとして期待されている。ただ、現状では水素社会への道のりは険しい。
一陽来福 福岡発

2年前に宮崎市で開催された水素関連産業参入セミナー(県工業会主催、県自動車産業振興会共催)。本県からも水素社会を後押しする企業が登場することを期待したい

2年前に宮崎市で開催された水素関連産業参入セミナー(県工業会主催、県自動車産業振興会共催)。本県からも水素社会を後押しする企業が登場することを期待したい

 地球温暖化防止に向けた世界規模での対策が急がれる中、水素が二酸化炭素(CO2)を出さない次世代エネルギーの一つとして期待されている。

 ただ、現状では水素社会への道のりは険しい。現在流通する水素エネルギーの多くは、製造過程でCO2が発生する方法でつくられており「究極のクリーンエネルギー」という理想を完全に実現できていない。何より、輸送や供給体制の構築などに要するコストが高すぎるため、普及の足かせになっているという。

 そんな中、先を見据えて独自の製品開発に取り組む企業が福岡市にある。TOKiエンジニアリング。この企業は液体水素の貯蔵や輸送に用いる配管、ポンプなどに使えるメタルパッキンを開発。耐圧性や耐震性に優れ、一般的なゴムパッキンと違って交換の必要もないため、維持管理コストの節減が期待できる。

 同社を取材して感じたのは、自社技術に対する自負と、社会貢献への強い思い。池井戸潤さんの小説「下町ロケット」を地でいくような企業だと思った。エネルギーの多くを輸入に依存している日本にとって、水からエネルギーを生み出せる水素技術の発達と水素社会の実現は大きな夢。地方の中小企業がその夢を後押ししていることがうれしく、期待を込めて見守りたい。
(鬼束功一)

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