みやビズ

2019年10月17日(木)
記者コラム / (真)

産業の育成について

2013/02/06
 東九州メディカルバレー構想、フードビジネス、観光、ご当地グルメ…。県内では、さまざまなキーワードを軸に産業育成に向けた動きが活発化している。その成功に必要なのは、強み、弱み、できることとできないことを十分に分析することはもちろん、地に足が着いているか、目的や地域特性を見誤っていないかこそ重要になると考える。

 例えば2008年から3年間赴任した延岡市。その間、大分県別府市の「オンパク」に代表され、全国的に盛んに取り組まれた着地型観光の開発に乗りだし、現在も官民協働で体験型観光の発掘、売り込みに力を入れている。地域資源を見直し、住民を巻き込みながら観光資源をブラッシュアップしていく作業になり、地域住民の意識向上や連携強化という意味合いでの地域活性化には一定の効果を出している。

 しかし、観光開発に着手した当初からの狙いは、あくまで産業化。つまり、県外客を取り込んで経済を活性化し、雇用まで生むという取り組みである。もちろん、ある程度の成果は望めるかもしれないが、観光というアプローチでその到達点を達成できるかには、正直、疑問が残る。

 延岡は旭化成を中核企業とした工業都市で、県外からの宿泊客の大半はビジネスが目的。工業都市としての成長モデルは過去のものとなっているものの、やはり、延岡の強みは工業にあり、「カネ」や「人」の流入は、その強みを伸ばしてこそだと考える。ビジネス客も減少しているという話だが、そこをどう回復し、伸ばせるかを考える方が、より現実的ではないだろうか。

 フードビジネスもご当地グルメも、今の”はやり“である。特にフードビジネスは地域性を考えれば必然と言える取り組みだが、農業者が6次産業化に参入するという展開だけでなく、素材の供給基地であるという基本を土台とした流通の見直しや農地の有効活用、他産業との連携を推進することが、産業構造を強くする。産業の育成には、地に足の着いた目標とその達成を繰り返し積み上げていくことが求められる。(真)

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