みやビズ

2019年10月14日(月)
記者コラム / (真)

中小企業の資金繰り

2012/10/17
 時限立法の中小企業金融円滑化法が2013年3月末で期限を迎える。リーマンショックのどん底を乗り切ろうと、中小企業経営を金融的側面から支援するこの制度は、曲折あり2度の延長があった。その間、金融機関による、日常ではあまりない貸し付け条件の変更は膨大な数に上り、期限切れを前に「倒産企業の急増」に対する懸念が高まっている。

 懸念の高まりは、さまざまな臆測や先行き不透明感に寄るところも大きいが、その土台には中小企業を取り巻く経営環境の厳しさがある。

 円滑化法の根底には、リーマンショック後の厳しさを乗り切れればという楽観論があったように思う。だが、世界経済は結果的に混迷の度合いを深め、国内的には復興需要という要素はあるものの、全体的に中小企業の経営環境が好転する材料は乏しいままだ。県内の複数の経済関係者からは「円滑化法によって経営が改善した企業はほんのわずかしかない」との声も上がっている。実情は次第に明らかになってくるだろうが、円滑化法後に貸し付け条件を変更した企業の倒産が本年度に入って目立ってきたというデータもあり、楽観視できない状況にある。

 対症療法的な制度の評価は時間の経過を待つとして、現在は、期限切れ後をにらんだ取り組みが重視される。県内では、金融機関や中小企業団体、企業再生を支援する組織などが連携し、支援体制を強化する動きが活発になっている。ただ、厳しい経営環境にある企業を立て直すには、経営者の前向きな意識が必要なのは言うまでもない。支援組織と個々の企業が一丸となって経営課題の解決に乗り出し、広まっている懸念が杞憂(きゆう)に終わることを願っている。(真)
  

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