みやビズ

2019年10月14日(月)
記者コラム / (真)

転がる商機

2012/09/26
 取材を通し、素晴らしい技術、製品に出会うことは少なくない。「へぇ〜、こんな商品が宮崎にあるんですね」とそのたびに素直に驚いているが、そんな商品、技術の販路や企業からの引き合いは往々にして、「県外」である。

 本紙経済面で紹介した日本治水(綾町)の水処理装置もその一つ。27年ほど前に独自に開発した装置で、JR各社の車両、駅舎内のトイレや、大手メーカーの工場などに導入され、効果も実証されている。最近では東日本ハウス(東京)が商品性の高さに目を付け、代理店契約を締結。同社が建設する住宅の「付加価値」として販売され、2年間で4億円を売り上げた。現在も国内外の商社などと商談が進んでいるが、そこに県内企業が入っていないのが何とも寂しい。導入実績だけ見ても申し分なく、ビジネスパートナーとして商機を見いだせる業種、業界は少なくないはずである。

 先日取材した宮防(宮崎市)の遮熱塗料も可能性を感じた製品だ。省エネ、節電への社会的要請が高まりを見せる中で、例えばハウスメーカーなどと組めば、新しいビジネス展開も期待できるのではないだろうか。

 こういった商品や技術は、目をこらせば県内にもそこらに転がっている。ビジネスの芽を探し当てるのは、敏感で優れた嗅覚が必要になるが、加えて必要なのは「やる気」だろう。「宮崎の企業はすぐに、『どこかに導入されたの?』と実績を聞いてくるけど、県外の企業は『よそは入れてないよね?』と言ってくる」という話を耳にしたことがある。宮崎の企業はリスクを避けることを優先し、県外企業は多少のリスクを取ってでも他社に先んじて商機をつかむことに貪欲だ-という例え話である。

 全ての企業に当てはまる話とは思わないけれど、納得する部分はあり、心当たりのある企業も少なくはないのかもしれない。宮崎生まれの技術、商品と、地元の営業力や店舗網、発信力が結び付いてヒット商品となる。明るい話題がそう無い昨今、宮崎生まれのそんな事例を取材したい。(真)
 

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