みやビズ

2019年10月17日(木)
記者コラム / (真)

現状維持から挑戦へ

2012/08/15
 先日、宮崎日日新聞経済面で紹介したオリジナルの木製玩具「ままごとキッチン COOK TIME」。小林市の川崎建具店が4年前からネット通販で販売を始め、生産が追いつかないほど全国から注文が相次いでいる。

 商品開発は、ネット通販関連企業から「木製の玩具をネットで販売しないか」と誘われたのがきっかけだ。商品製造を手掛ける同店の川崎賢広さんは当初、「建具屋が玩具を作るのも…」とまったく気乗りせず、重い腰を上げたのはそれから1年以上たってから。初年度は年間30台ほどしか売れなかったが、3年目の2011年には500台以上を売り上げるヒット商品となった。

 世の中、何が売れるか、何がはやるかを予測するのは難しい。しかし、川崎さんがもし現状にとどまることを選択していたら、今の成功はなかった。さらに、川崎さんは今回の成功を土台に新しい事業展開にも着手しており、次の成功の芽が生まれることもなかったはずである。

 「今の事業だけにしがみついていては必ず衰退する」。みやビズ「寄稿コラム」を執筆している旭化成顧問の水永正憲氏が、こう語っていたことを思い出す。旭化成はこれまで、時代の変化を捉えながら事業構造を転換させ、次々と新しい分野に進出、それを成長の糧としてきた。実際の成長モデルに裏付けされた水永氏の言葉は、岐路に立つ新聞業界に身を置く立場としても、胸に刺さる。

 「現状維持さえ難しいのに、新しいことなんてやる暇がない」と考えるか、「現状維持が難しいなら、新しいこともやってみよう」と一歩を踏み出すか。こう書きながらも、やはり新聞業界を顧みずにはいられないが、現状維持もままならない状況をこそ、成長の芽を生み出す機会に変えたいものである。(真)

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