みやビズ

2020年1月22日(水)
記者コラム / (真)

横並びの事業ではじり貧

2012/02/08
 細島港で3月、水深13メートルの大型岸壁工事が始まる。本紙経済面で連載中の「港湾物流~県内外拠点を見る」でも触れたが、同港の重点港湾選定を機に新規に進められる事業。東九州自動車道の開通も目前に控える中、新たな岸壁整備で海外貿易の拠点としての競争力が高まるのは間違いない。

 ただ、整備決定前に想定した見通しが、現時点ではことごとく崩れてしまっている点が気になる。国が新規着工に踏み切ったのは、中国木材の進出やソーラーフロンティアの細島利用などによる将来的な荷物量の増加を見込んだからだ。しかし、中国木材の進出は景気低迷から進展が見られず、ソーラーフロンティアの荷もそのほとんどが志布志、博多港に流れている。県外他港に流れる荷を集荷するには、企業の戦略上不可欠な港として位置付けられる必要があるが、志布志、博多港と比較すると、今のところ港を変えるまでの優位性は見当たらないというのが実情だろう。

 県や地元・日向市は港湾利用の呼び水にインセンティブ(報奨金制度)を設けるものの、県外他港も同様の制度があり、今や「あって当たり前」のサービスになっている。さらに、企業がインセンティブを受けられる期間は短く、中、長期的なニーズを呼び込むには物足りないと言わざるを得ない。

 港湾関係者の間では「鶏が先か卵が先か」とよく言われる。これは、「荷物が無ければ航路も充実しないし、航路が無ければ荷も集まらない」というジレンマを表したものだ。だが、港湾機能の充実を地域経済の活性化につなげようとするならば、企業のメリットになり、「集荷」を強力に推進するような大胆な施策、事業展開でジレンマを打ち破らなければならない。県外の「ライバル港」と比べ航路などで後れを取る現状の中、横並びの事業ではその差は広がるばかりである。(真)

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