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2019年10月15日(火)
記者コラム / (真)

過疎に挑むムラ

2015/02/20
年間2万人以上の観光客が県内外から訪れる「おがわ作小屋村」のレストラン

年間2万人以上の観光客が県内外から訪れる「おがわ作小屋村」のレストラン

 「やらないで後悔するよりも、失敗しても行動すべきと思った」。西米良村小川地区にある観光施設・おがわ作小屋村。運営にあたる小川作小屋村運営協議会の上米良秀俊会長は取材に、こう話を切り出した。

 現在、同施設には県内外から年間2万人以上の観光客が訪れる。山里の風景に溶け込む施設づくりや、素朴ながらも見せ方や味付けにこだわり抜いた料理、さらには、運営に地元住民が一体となって協力する地域力…。大勢の人を引きつける魅力の裏には、さまざまな要素を見ることができる。地域産業の開発は人口減少対策の一つとされ、小川地区はその成功例としても注目を集めるが、現実の厳しさも垣間見た。

 狙い通り交流人口は増えた一方で、I・Uターン者の定着は思うように進まない。料理を提供する地域の女性たちの平均年齢は70歳を超え、味を引き継ぐ次世代の育成も課題として横たわる。また、売り上げの多くを占める施設の指定管理料。村の台所事情も考えると、これまでの水準が維持されるとは限らない。「事業をどう維持、発展させていくか。これからが正念場」。上米良会長も現状に満足している様子はない。

 同協議会は今後、赤字覚悟で人員を増やし、営業体制の強化を進める。「花見山」という新たな魅力づくりも着々と進め、「維持、発展」に向けた戦略を練る。

 取材前、おがわ作小屋村のすぐそばにある商店に立ち寄った。商店を営む女性と立ち話になり、作小屋村が料理を提供し始めたことで、パンやカップ麺が売れなくなったことを教えてくれた。「そんな影響もあるのか」と考えていると、女性は「売れなくなったことなんてどうでもいい。いろんな人たちが小川に来て、地域が明るくなったことがうれしい」と後に続けた。

 事業として成功への途上にある小川地区の挑戦。住民のそんな前向きな気持ちが実を結ぶよう願っている。(真)

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