みやビズ

2019年8月25日(日)
記者コラム / (真)

売り手市場の就職戦線

2014/05/14
 来春、学校を卒業し、就職を希望する学生は恵まれた環境にあるようだ。リトルワークス研究所が発表した求人動向調査によると、民間企業の求人数は前年比で約25パーセント増加。増加に転じたのは実に6年ぶりという。

 リーマンショック後に採用を控えていた中小企業の採用再開が主因のようだが、景気回復などを背景に採用を増やす大手企業も少なくない。翻って県内。宮崎日日新聞社が県内企業20社に聞き取ったところ、その多くが例年並みで、採用を増やす企業も4社あった。

求人数の増加は景気回復を象徴するものとして歓迎すべきことではあるが、地方の中小企業にとっては悩ましい側面もある。売り手市場になれば、大手志向、大都市志向に拍車が掛かり、優秀な人材の確保がさらに難しくなってくる。

 ぜひ学生には、地域の中小企業に目を向けてほしいが、大手志向、大都市志向は「仕方がないよなあ」とも思う。「働くなら安定していて給料が高いところ」「何となく、東京に出てみたい」「海外を相手に大きな仕事がしたい」など、若い頃は誰もが一度は考える。さらに、さまざまな媒体を通して企業情報に触れられる大手と違い、情報が少ない中小企業が採用活動で不利になるのは、至極当然といえる。

 県内でも優秀な人材を確保するために、初任給を引き上げる動きも出てきている。長期的な展望が描きにくい中小企業にとって、初任給引き上げなどはリスクにもなるが、「企業は人なり」を実践し、人材力を成長に結びつけるにはコストが掛かるのは当然だ。売り手市場で採用活動の競争が激しさを増すなか、優秀な人材に目を向けてもらう手だてを考えることも必要ではないか。(真)

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