みやビズ

2019年9月16日(月)
記者コラム / (KO)

組織に必要なもの

2011/09/21
 司馬遼太郎は著書「歴史のなかの邂逅(4)」(中公文庫)で新選組に触れ、「文化史的にいって、日本の組織の最初ではないか」と、その機能性を高く評価した。藩というものを「養人組織」と斬(き)り捨て、武士という支配階級には組織論的な組織がなかったという意味合いの論も展開した。もっとも、砂鉄事業や漁業などの産業では、無意識的に組織化されていたことにも言及している。

 組織とはある目的を達成するため、機能的に構築された集団、ぐらいの意味か。尊皇攘夷論が渦巻き動乱の中にあった幕末の京都で過激派たちを鎮めるべく奔走した新選組のそれは、副長土方歳三によって見事に統制されていた。多くの志士を切り「壬生浪(みぶろ)」と恐れられ、組織内でも粛清を繰り返した賛否は別として、藩組織には見受けられなかった機能性があったのだろう。

 企業のトップを取材すると、組織力の重要性を常に意識していると感じる。ある事業計画を成し遂げるためには烏合(うごう)の衆では到底なし得ず、目的に沿って機能的、合理的にマンパワーを結集させなければならない。

 しかし時としてその機能性は、組織それ自体を守るために反社会的作用を引き起こす危険性もはらむ。偽装工作、隠ぺいなど、組織の一部に欠陥があるだけで傷口は全体に広がりかねない。組織は目的へ向かう機能性とともに、自己制御力、軌道修正力も兼ね備える必要があろう。(KO)

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