みやビズ

2019年10月14日(月)
記者コラム / 高森千絵

人を大切にする視点

2012/04/18
 10年ほど前、日南支社で勤務していた。当時、白い作業着に白い長靴姿の”おじさん”が軽トラックで何回か支社を訪ねてきたのを覚えている。自分が買い物をしていたスーパーでよく見掛けた男性だったので、精肉担当のスタッフかな、などと最初は思っていた。その男性が日南市内で複数のスーパーや焼き肉店などを展開する戸村グループ社長(当時)の戸村吉守さんだと知ったのは赴任から少したってからだ。

 先日、「キーパーソン」の取材で戸村さんにお会いした時も、その風貌は全く変わっていなかったが、10年前は知らなかった経営者としての顔を再認識させていただいた。精肉店1店舗から始め、事業拡大してきた経緯を聞き、グループを成功に導いてきた旺盛な行動力や豊かな発想力などをあらためて感じ取ることができた。 

 特に印象に残ったのは経営者として人材を重視する考え方。「会社にとって良い従業員を得るために、利益が上がればそれを従業員に給与として還元する」、「食品の原料を供給してくれる生産者を守るために原料価格は無理に買いたたきはしない」など。人とのつながりも大切にして、修業時代にお世話になった親方がいる奈良県橿原市には毎年墓参りに行き、同市への寄付も続けているという。

 そんな姿勢を知ると、地元を代表する同グループの会長になった今でも、街に出ると気軽に市民から声が掛かるのも何となく納得できる。商品の質は言うまでもないが、人を尊重する視点が消費者側にも伝わることで商品への評価に転換され、ひいては売り上げに貢献している面があるのかもしれないと感じた取材だった。(絵)

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