みやビズ

2019年10月17日(木)
記者コラム / 高森千絵

ビジネス化への課題

2012/02/15
 全国で野生シカによる食害が増え、農作物を狙い田畑を荒らす有害鳥獣として駆除される頭数も増えている。この駆除シカについては国も補助金を出し、県内でも商工会などを中心に食肉や革製品として有効活用しようという試みが生まれている。

 延岡市北川町ではレストランを新たに構え、シカ肉料理を提供しているが、牛、豚、鶏肉などの供給が充足している食肉市場で、消費者になじみの薄いシカ肉をどれほど普及できるかはまだ未知数だ。食の嗜好(しこう)性は結構、保守的だったりもする。新たに市場を開拓するには味、価格、機能性など、ほかの食肉より優れた価値や評価を消費者に認知してもらう必要がある。

 一方、シカ皮は牛、豚皮に比べると柔らかく肌触りが良い。加工に取り組むえびの市で取材して初めて知ったが「肌になじむ」感触が何とも気持ち良い。ただ、こちらもまだ商品開発など試行錯誤の段階で、小物でも1000円以上という安価とは言えない価格設定のため、地元だけでは販売に苦労している面もある。商品の開発、洗練もさることながら、商品に適した販路をどこに求めるかも鍵になる。

 いずれにしても収益を上げるビジネスに成長させるには、解決すべき課題は少なくない。だが他県では、販路開拓に成功しているケースもあるようだ。これまで運営、活動費などを賄ってきた補助事業の期限も迫っている。せっかくの挑戦を徒労に終わらせないためにも、積極的に民間同士で連携してノウハウ、知恵を出し合う努力が必要だろう。(絵)

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