みやビズ

2019年6月16日(日)
記者コラム / (仁)

日本一の産地化に向けて

2013/09/18
 くせがなく、あっさりとした淡泊な味わい。調理法次第でさまざまな料理になるというのが、県産シロチョウザメを食べた率直な感想だ。チョウザメはキャビアの親魚で、キャビアはいわずとしれた高級食材。県内ではいよいよ、チョウザメ養殖から卵の加工まで一貫して行った「宮崎(みやさき)産キャビア」の出荷が本格的に始まろうとしている。

 県は約30年前から水産試験場で研究を重ね、養殖技術の確立や種苗生産を進めてきた。これまでの関係者の努力を思うと、宮崎産キャビアが市場に受け入れられ、新たなブランドとして根付くことに期待したい。一方で、チョウザメ養殖には採卵までに7〜10年近く要するという課題も。キャビア採取まで養殖業者に求められるコストを考えると、少しでも先行投資を補うような生産体制づくりが不可欠だろう。

 注目されるのは魚肉の有効活用だ。欧州では魚肉も「ロイヤルフィッシュ」とも呼ばれる高級食材という。既に県内外の料理店へ魚肉を出荷したり、ご当地グルメの開発に取り組んだりとさまざまな試みが続く。食品加工の器(宮崎市、西立野玲社長)も、県内の養殖業者から提供を受けた雄の魚肉で、ボイル蒸しやかば焼きなどの加工品を開発し、キャビア出荷に合わせて売り出そうとしている。

 西立野社長から「チョウザメはほとんど捨てる所がない魚で、皮や骨、内臓も食べられる」という話を聞いた。需給バランスや採算性を考えると、加工品の大量生産までにはまだ時間はかかると思う。ただ、本県が目指す「日本一のチョウザメ養殖産地づくり」を達成するには、キャビアのブランド化はもちろん、チョウザメを余すところなく使った商品開発も必要になるかもしれない。(仁)

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