みやビズ

2019年10月17日(木)
記者コラム / (仁)

川下を考える

2013/08/07
 消費者が求めているものは、何も値段の安さや量だけではないのだろう。先日、県ブランド「みやざき地頭鶏」の生産、加工、販売を手掛ける「地頭鶏ランド日南」(日南市)の近藤克明社長を取材した。その際に印象に残ったのが「質と商品のストーリー性という付加価値があれば商品は売れる」という言葉だった。

 同社は全国で居酒屋を展開するAPカンパニー(東京)のグループ会社で、外食産業という「川下」から、生産現場という「川上」に参入。生産者を全面に押し出し、商品にストーリーを持たせたビジネスモデルを確立し、今や全国90店舗超の居酒屋でみやざき地頭鶏を提供する。みやざき地頭鶏を全国区にした企業の一つと言っても過言ではない。

 翻って本県。生産農業所得統計などを見ると、本県の農業産出額(2009年)は3073億円で全国第5位。しかし、これを加工する食料品製造業出荷額は2578億円で同31位と大きく落ち込む。以前から指摘される素材供給型産業からはなかなか脱することができていないのが現状だ。

 マレーシアでの環太平洋連携協定(TPP)交渉会合に日本が初めて合流したことで、取材先でもTPPの話題が上るようになった。TPPの是非は二分するが、共通項は「川上から川下へ、単に商品を流すだけでは将来限界が来る」ということ。本県の1次産業が次のステップに進むためには、川下を考えたブランドの再構築が必要になるのではないだろうか。(仁)

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