みやビズ

2019年10月17日(木)
記者コラム / (仁)

フードビジネスと高齢社会

2013/06/05
 緑や白、黄色など色とりどりのゼリー状の物体。先日、宮崎市の食品卸業「まごころ食託宮崎」が手がけるソフトフーズを取材して、実食させてもらった。かむ力や飲み込む力が低下した高齢者や障害者向けの食事は、口に含むと舌先で押しつぶせるほど軟らかい上、食材の味がしっかり残っており、驚きながら完食した。

 事業の発端は、これらの人が食べる食事の現状にあったという。西川社長によると、料理を全てミキサーにかけるペースト食は、「調理した当人も食べられない」ほどおいしくないのが現状だそうだ。確かに、料理を単純にペーストにしたものが食欲をそそるかと尋ねられれば、決してそうではないだろう。実際に、ペースト食を食べていた高齢者にソフトフーズを食べてもらったところ、食べることに興味を持ってくれて、体重も増えたと感謝の声も寄せられたという。

 健康と食事は切っても切り離せないというのは言うまでもなく、今後の高齢社会を考えれば需要も見込める事業だ。ただ、この事業自体始まったばかりで、病院や介護施設向けの認知度は決して高いとは言えない。西川社長は今後について、「本県の農畜産物を使って、付加価値を付けたい。ソフトフーズのお菓子というのもできるのでは」と意欲を示していた。本県はフードビジネス振興構想を打ち出しており、行政と民間事業者がタッグを組めば面白い展開も見えてくるはずだ。この事業が、フードビジネスの一つのモデルケースになることに期待したい。(仁)

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