みやビズ

2019年10月14日(月)
記者コラム / (仁)

観光産業の行方

2013/04/03
 「一つのホテルが閉館するだけでなく、宮崎の観光産業が危機的状況に陥っていることを伝えてほしい」。16日で閉館が決まった青島観光ホテル。高柳貴裕社長を取材した際、最も心に残った一言だ。長年、青島の観光を引っ張ってきた老舗の閉館は残念でならない。ただ、今回の閉館は本県観光が抱える問題を端的に表している。

 同ホテルが開業したのは1959(昭和34)年。高柳社長の母親の節子さんによると、開業当初の青島地区は海水浴客向けの簡易宿舎があるだけで、本格的な宿泊施設はなかったという。同ホテルは本格的な宿泊施設で、70年代の新婚ブームにより一気に客足が伸びた。「ホテルの部屋はすべて新婚さんで満室だった」。しかし、団体客中心のツアーから、個人客中心へと旅行形態が変化。世界的な景気の低迷や、本県を襲った口蹄疫や新燃岳噴火などで宿泊者が減少し、営業継続を断念した。

 青島観光ホテルも含め、宮崎市内ではここ数年、宿泊業が苦境に立たされる。大淀川河畔に立ち並んだホテルや旅館は次々に姿を消し、マンションに変わった。「宮崎の観光の在り方を考えないと、今後も(ホテルなどが)ばたばたと廃業する可能性がある」と高柳社長が警鐘を鳴らすように、観光とホテル・宿泊業は密接に関わっている。本県は長年、観光産業に力を入れ「観光立県」を目指してきた。観光産業の未来を語るには、ここ数年の宿泊業の現状を見つめ直す時に来ている。(仁)


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