みやビズ

2017年9月21日(木)
記者コラム / (仁)

有事の備え

2012/07/11
 現代っ子と言われるかもしれないが、これまで電気や水道といった「ライフライン」がストップする事態に遭遇した経験はほとんどない。幼いころ、台風の影響で数時間停電したことはあるものの、その時は真っ暗な部屋の中でろうそくだけで過ごすという非日常の経験に、わくわくしたように記憶している。

 翻って「節電の夏」と呼ばれる今夏は、状況がまったく異なる。先日、今夏の電力の需給状況などに関する九州電力の説明会が宮崎市内で開かれた。その中で、出席した企業担当者が最も聞きたかったことは、計画停電の実施の有無だったと思う。企業の生産活動は、電力の安定供給が前提になる。九電側は、火力発電所のトラブルといった不測の事態に備えて計画停電を準備していると説明したが、ある企業は「危機管理上、発電機を準備しないといけない。工事完了まで待ってもらえないと事業の継続も難しくなる」と訴えていたのが印象的だった。

 企業が生産活動を行うに当たり、さまざまなリスクに備えることは不可欠だ。一方、1企業で準備できることには限界があるのも事実。某企業の関係者は原子力発電所の問題にも触れ、「ある程度方向性を示してもらわないと、生産活動すらできなくなってしまう」と今夏以降もこのような事態が続くことを懸念していた。「節電の夏」が投げ掛けた課題。それは、有事の備えとともに、国民全体でエネルギー政策の方向性を議論することではないだろうか。(仁)

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