みやビズ

2019年6月27日(木)
記者コラム / (仁)

1個260円のリンゴから学ぶ

2013/12/11
 取材先で話を聞いていると、逆に質問を受けることはよくある。11月中旬から下旬にかけ、経済面で連載した「グローバル時代」で、海外事業を展開する地場企業を取材した時の話。「1個260円の青森産のリンゴが台湾で売れる理由は何だと思う」。社長からの質問に「ブランド化が成功したから」と答えたが、どうやらそれだけではないそうだ。

 社長の話では、青森県の官民が連携してリンゴをPRしているのはもちろんだが、農薬使用など台湾の基準に合わせて輸出専門のリンゴを作っていることも大きいそうだ。現地の基準をクリアしているので輸出もスムーズで、地元スーパーにも定期的に商品が並ぶ。結果、日本のリンゴといえば青森産というブランド化もでき、1本700円の青森産のリンゴジュースの売れ行きも好調だという。

 本県も農畜産物を中心に、輸出を促そうと取り組んでいる。しかし、輸出を想定した作付けや、生産体制の在り方まで踏み込んで取り組んでいるかといえば、現状は不十分だろう。知名度向上も喫緊の課題だが、この問題を解決するには、外国人観光客に宮崎へ来てもらうことも一つの手法ではないか。

 先日、台湾からの観光客が本県を訪れ、宮崎の食材を使った伝統料理づくりを体験した。台湾の旅行会社が体験型観光ツアーをつくろうと企画したモニターツアーで、参加者も食べるだけでなく、料理することで宮崎産の食材の良さを実感した様子だった。ただ、企画自体は台湾が主導で、今後はこのようなツアーを受け入れる体制構築も必要だろう。

 宮崎はアジアから近いという地の利があり、宮崎-台湾線は来春から増便される予定。輸出や観光を含めた本県のアジア戦略が単なる打ち上げ花火で終わるか、はたまた「MIYAZAKI」を根付かせるのか。官民の本気度が試されている。(仁)

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