みやビズ

2017年8月19日(土)
記者コラム / 小川祐司

企業は「やりがい」発信を

2017/06/16
 最近、高校3年の長男が「大学を卒業したら、宮崎で起業するのもいいかな」と言い始めた。息子の友人も以前から「大学を出たら起業する」と言っている。別の友人の姉は有名大学の大学院に在籍するが、進路は「研究者か起業」なのだそうだ。今どきの若者はたくましい。というか、記者の世代との職業観の違いに驚かされる。自己表現や社会的役割の実現といったことに働く意味を見いだす傾向が強まっているのかもしれない。
宮崎市で3月に開かれた合同企業説明会。学生たちが最も欲する情報は「やりがい」ではないだろうか

宮崎市で3月に開かれた合同企業説明会。学生たちが最も欲する情報は「やりがい」ではないだろうか

 最近、高校3年の長男が「大学を卒業したら、宮崎で起業するのもいいかな」と言い始めた。息子の友人も以前から「大学を出たら起業する」と言っている。別の友人の姉は有名大学の大学院に在籍するが、進路は「研究者か起業」なのだそうだ。今どきの若者はたくましい。というか、記者の世代との職業観の違いに驚かされる。自己表現や社会的役割の実現といったことに働く意味を見いだす傾向が強まっているのかもしれない。

 今月13日に宮崎産業経営大で講義をさせてもらった。ほとんどが2、3年生。学生たちの目がぐっと真剣味を帯びたのは、県内でキラリと光る中小企業の取り組みをいくつか紹介したくだり。「県内でも、こんなに面白い仕事ができるのか」と思ったに違いない。講義の感想文には「将来が決まらない今、とても助けになる講義だった。もっと多くの企業を知りたい」といった言葉も。裏を返せば、学生が欲する情報が届いていないということであり、企業側は発信の仕方や発信する情報の中身を点検する必要がありそうだ。

 就職情報会社マイナビが来春卒業予定の大学生らに大手企業志向なのか中堅・中小企業志向なのかを尋ねたところ、前年より大手志向が強まっていることが分かった。売り手市場なのだから、学生も強気なのだろう。ただ、「絶対に大手企業がよい」と答えたのは12.4%。「やりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」(40.4%)の方が断然多い。

 一方、「中堅・中小企業がよい」は7.1%にとどまるが、「やりがいのある仕事なら中堅・中小企業でもよい」では36.1%に跳ね上がる。今に始まったことではないが、就活生のハートを企業が射止めるには、やりがいを伝えるのが効果的なようだ。

 考えるに、学生が求めているのは事業内容や待遇、先輩の一言といったありきたりの情報ではなく、入社後に生き生きと働く自分自身をイメージできる情報であり、企業がなすべきは「やりがいの見える化」ではないだろうか。自社がどのような大きな夢を持ち、何に夢中になって挑戦しているのか。仲間となる「あなた」に何を期待し、どのような活躍の場を用意しているのか。心を揺さぶられる本音を学生たちは待っている気がする。
(小川祐司)

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