みやビズ

2018年9月22日(土)
記者コラム / 小川祐司

責任が育てる若い力

2015/07/31
IT企業と見まがうような「くしまアオイファーム」の事務所。ここで働く社員は若く、そして生き生きとしている
IT企業と見まがうような「くしまアオイファーム」の事務所。ここで働く社員は若く、そして生き生きとしている

IT企業と見まがうような「くしまアオイファーム」の事務所。ここで働く社員は若く、そして生き生きとしている

 真新しく、そして明るい室内で、ポロシャツ姿の若者たちがパソコンと向き合う。中にはバランスボールに座って仕事をしている人も。IT企業と見まがうような職場の正体は「くしまアオイファーム」。串間市でサツマイモを生産・加工し、国内外の多様なチャンネルで販売している。農家だった池田誠社長(45)が2013年12月に法人化した会社だ。

 若者たちは、ここの正社員。正社員は9人おり、平均年齢は27歳だという。取材で彼らに接し、きびきびとした応対や、洗練された立ち居振る舞いに驚かされた。「名の通った企業で鍛えられ、ここに再就職したんだな」と直感した。どうにも気になって社員や池田社長に尋ねると、この直感はハズレ。そうした企業で働いた経験はなく、ここでの日々が彼らを成長させていると知った。

 池田社長の育て方は面白い。海外の高級スーパーや国内の有名小売店との商談、銀行との取引といった重要な業務を彼ら若い社員に躊躇(ちゅうちょ)なく任せている。それと、もう一つ。池田社長は営業や生産のノルマを課していない。自主性を重んじ、思ったようにやらせている。

 任せるということは、責任を持たせるということ。池田社長は「責任を持たせると、自然に、そして短期間に戦力として育つ」と語る。経営者や上司の「任せる勇気」が社員を育てるという話はよく聞くが、池田社長の場合は勇気というよりも純粋な信頼のように思える。だからこそ、社員も懸命に働くのではないだろうか。しかも、楽しげに。

 地方であっても、農業であっても、若者がやりがいを持って働ける-。彼らの姿を見て、そう思えたし、大きな希望を感じた。この若い会社が、若い社員と共にどのように成長していくのか。楽しみに見守りたい。(祐)

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