みやビズ

2017年10月18日(水)
記者コラム / 久保野剛

WASHハウスに続け

2017/08/04
 最近、「新規株式公開(IPO)を目指している」という経営者と立て続けに会った。何の偶然かと思ったら、昨年11月に東証マザーズに上場したWASHハウス(宮崎市)が火付け役だという。
上場セレモニーで鐘を鳴らすWASHハウスの児玉康孝社長=昨年11月、東京証券取引所

上場セレモニーで鐘を鳴らすWASHハウスの児玉康孝社長=昨年11月、東京証券取引所

 最近、「新規株式公開(IPO)を目指している」という経営者と立て続けに会った。何の偶然かと思ったら、昨年11月に東証マザーズに上場したWASHハウス(宮崎市)が火付け役だという。県内企業として12年ぶりの上場で、確かに大きな注目を浴びた。

 証券取引所に株式を上場することで、企業は事業拡大や研究開発に活用する資金をまとまった規模で調達でき、知名度も上がるといったメリットがある。もちろん株主への配当や情報公開などの責任を負う。

 従業員も持株会があれば、公募価格より安く株を手に入れられ、頑張って会社の業績が上がれば株価も上がり資産も増える。前出の経営者の一人は「(持株会は)社員のモチベーションを高める、理にかなった仕組み」とうなずく。

 WASHハウスが加わり、県内の上場企業は宮崎銀行、旭有機材(いずれも東証1部)、宮崎太陽銀行(福証)、ハンズマン(ジャスダック)の5社となった。この数は都道府県別で見るとまだまだ少ない。

 例えば人口105万人の富山県には20社以上の上場企業がある。その中心が製造業なのは、東京に近く、豊富な水があり、冬場は農業に向かない土地柄などが影響しているのだろう。国の県民経済計算(2014年度)によると、県内総生産は4兆4453億円(108万人の本県は3兆6430億円)。1人当たりの県民所得は318万円と、本県の238万円を圧倒している。

 宮崎市高岡町で航空機部品工場を建設中の日機装(東京)を取材中、ある行政関係者は「こんな大きな製造業の進出は、この先10年はない」と話していた。少子高齢化などで厳しさを増す本県経済。ならば継続的な企業誘致と並行し、将来有望な地場企業が大きく成長して、雇用創出や外貨獲得を頑張ってもらう必要がある。

 証券会社も本県企業に注目している。みずほ証券(東京)は6月、法人客向けの営業所を宮崎市に新設した。鹿児島支店の管轄だが、九州に店舗がないのは大分県だけとなった。担当者は「IPOを含め、法人客の幅広い金融ニーズに対応したい」と本県企業との関係深化に意欲的だ。

 WASHハウスの児玉康孝社長は上場直前の本紙インタビューにこう話していた。「『宮崎でも上場できるような企業を育てられる』と若者の起業マインドを醸成し、目標になれればうれしい」
(久保野剛)

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