みやビズ

2017年12月15日(金)
記者コラム / 西村公美

「あったらいいな」をビジネスに

2017/11/17
20171116-1admin_image_1510821785-%283%29.jpg 約半年かけて練り上げたビジネスプランには、学生ならではの柔軟で大胆な発想が詰まっており、聞き応えがあった。何のことかというと、宮崎市であった「宮崎大学ビジネスプランコンテスト」(宮崎大・宮崎銀行主催)のこと。同大学の学内選考を通過した10の個人・グループが登壇し、プランについてよどみなく説明。審査員からの鋭い質問にも動じる様子はあまりなく、どのグループも自信を持ってプレゼンテーションに臨んでいることがうかがえた。

宮崎大学ビジネスプランコンテストで半年かけて練り上げたプランについてプレゼンテーションする学生たち=9月30日、宮崎市

宮崎大学ビジネスプランコンテストで半年かけて練り上げたプランについてプレゼンテーションする学生たち=9月30日、宮崎市

 約半年かけて練り上げたビジネスプランには、学生ならではの柔軟で大胆な発想が詰まっており、聞き応えがあった。何のことかというと、宮崎市であった「宮崎大学ビジネスプランコンテスト」(宮崎大・宮崎銀行主催)のこと。同大学の学内選考を通過した10の個人・グループが登壇し、プランについてよどみなく説明。審査員からの鋭い質問にも動じる様子はあまりなく、どのグループも自信を持ってプレゼンテーションに臨んでいることがうかがえた。

 中でも、グランプリを受賞した工学部3年の木下大輔さんらのプランには着眼点の良さに感心させられた。木下さんらは、障害者が航空券を予約する際などに必要な事前情報をデータベース化して、データを必要とする企業に提供するサービスを提案。利用料を障害者や企業から受け取って運営するもので、利用者は毎回情報を登録する手間が省け、企業も登録された情報の確認にかかる時間やコストを削減できるウィンウィン(相互利益)のサービスだ。

 サービスを思いついたきっかけは、車いす利用者である木下さん自身が感じる不便さからだった。例えば、健常者であればネットでの航空券予約は10分もかからない。しかし、車いす利用者の場合、車いすのサイズや重さなど細かな情報をその都度登録する必要がありかなりの時間を要する。木下さんらの調査によると、8割の障害者がこれらの手間を負担に感じているという。

 障害者が手間がかかる手順を踏まざるを得ないのは知らなかったため、「大変なんだな」と率直に思った。しかし、その大変さを逆手にとり、「あったらいいな」と思ったことをビジネスにしようというたくましさも同時に感じた。この手間が少し省けるだけで、障害者自身や支える人々の「もっと外に出たい」「社会とつながりたい」という気持ちが膨らむかもしれない。障害者が地域に溶け込んで暮らしていく社会づくりを国が目指し始めて久しい。アプリの開発や個人情報の管理、利用者の募集など事業化に向けた壁は厚いだろうが、あると便利だということは会場にいた皆が感じたところだ。今後の展開に期待したい。
              
(西村公美)


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