みやビズ

2018年8月15日(水)
記者コラム / 西村公美

「海外展開元年」に思う

2016/01/08
長友味噌醤油醸造元が参加したシンガポールの百貨店での九州フェア。試食と合わせてみそを使った料理なども紹介している(同社提供)
長友味噌醤油醸造元が参加したシンガポールの百貨店での九州フェア。試食と合わせてみそを使った料理なども紹介している(同社提供)

長友味噌醤油醸造元が参加したシンガポールの百貨店での九州フェア。試食と合わせてみそを使った料理なども紹介している(同社提供)

 県外で過ごした大学時代、仕送りには九州産のみそとしょうゆを入れてもらっていた。日々使う調味料には、舌がなじんでいる甘めのものを使いたかったからだ。

 そんな身近な調味料も食生活の変化や核家族化の進展などにあらがえず、国内消費量は右肩下がりだ。国の統計によると、1人当たりのみそ、しょうゆの消費量は約40年前と比べると4割程度減少している。

 一方で日本食ブームが世界を席巻するいま、市場は国内にとどまらないのも事実。伸びしろのある海外での需要を取り込もうと、長友味噌醤油醸造元(宮崎市)は2010年から独自に海外展開をスタート。14年には日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援事業の採択を受け、シンガポールと香港でみその知名度アップと消費拡大を目指している。

 同事業では、ジェトロの専門家が現地の飲食店関係者に引き合わせてくれたり、販売戦略へのアドバイスをくれたりと手厚くサポートしてくれる。確かに海外進出のノウハウに乏しい中小企業は、このような支援なしに軌道に乗せるのは難しいだろう。同社で夫とともに海外展開を担当する塩見陽子さんが「何でも相談できる心強い存在」と評するのもうなずける。

 昨年10月、本県にもジェトロ宮崎貿易情報センターが開設された。海外展開を考えている企業にとっては相談しやすく、実現に向けて準備できる環境が整った。しかし、ジェトロにおんぶにだっこではいけない。自社商品やサービスの強みを理解し、どのようなビジョンを持って展開していくかは企業側が考えておくべきことだろう。

 同センター開設により、さらに海外展開の機運が高まることしは本県にとって「海外展開元年」となるだろう。長友味噌醤油醸造元のように、巨大なマーケットに照準を合わせ羽ばたいていく企業がどれくらい生まれるだろうか。新たな取り組みに向けて奮闘する企業の姿を、少しでも多く取り上げられる一年になればと思っている。   
(西村公美)

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