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2018年9月22日(土)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】フリーランス保護  

2018/03/12

契約トラブル対策で指針 公取委が問題例示す


(イラスト 清水紗羅巳)

(イラスト 清水紗羅巳)

 公正取引委員会が芸能人やスポーツ選手、フリーランスの契約トラブル対策に乗り出すというニュースを聞いた大学生で就職活動中の志郎さん。IT技術者として働く叔母の恵子さんに尋ねた。

 志郎 芸能人やスポーツ選手の契約トラブルの話をよく耳にするね。

 恵子 NHKドラマ「あまちゃん」で人気者になった女優の能年玲奈(のうねん・れな)さんが独立して「のん」と改名したことが話題になったわね。ラグビーのトップリーグでは選手が移籍すると、前の所属先からの承諾がないと新チームでの公式戦出場が1年制限される規約が、最近まであったのよ。

 志郎 なぜトラブルが起きるの。

 恵子 芸能人やスポーツ選手は育てるのにお金と時間がかかるから、勝手に移籍されると所属先が困るのよ。ただ、所属先が強い立場を利用して不当な契約を結んだり、過度な移籍制限をしたりするのは独禁法違反の恐れがある。こうした判断を公取委が初めて示し、実質的な指針になるわ。

 志郎 どういった対策に乗り出したの。

 恵子 これまで公取委は、発注する企業が強い立場を利用し、下請け企業に無理難題を押しつけて独禁法に違反していないかどうかを問題にしてきたけれど、企業と個人の契約は扱いがあいまいだったの。今回、違反の恐れがある具体例をまとめて報告書として公表したわ。スポーツチーム同士が選手の引き抜きをしないと申し合わせることや、芸能事務所が契約改定の協議に応じないといった問題を例として示しているの。

 志郎 僕のような一般人には関係ないね。

 恵子 そうでもないわ。公取委が問題としているのは、芸能人やスポーツ選手だけではない。IT技術者やデザイナーなど「フリーランス」として働く人全体を保護しようとしているのよ。

 志郎 フリーランスって何なの。

 恵子 個人の立場で仕事を請け負う「自由業」と呼ばれる人たちのことよ。会社員などの副業を含んだ広い意味でのフリーランスは、国内で1千万人を超えているという調査もあるわ。

 志郎 へえ。ほかにどんな仕事があるの。

 恵子 翻訳家や作家、写真家のように個人の専門性を生かした仕事が多いわね。所属先と原則として毎年契約を交わすような医師や弁護士も含まれる。インターネットの普及で場所や時間を問わずに仕事ができるようになったから、今後もっと増えるわよ。

 志郎 僕もフリーランスになろうかな。

 恵子 実力が問われる厳しい世界よ。就活やめる口実にしちゃだめ。

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