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2019年6月17日(月)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】ソニー社長交代 

2018/02/26

最高益花道に堅実人事 新たなヒット商品課題


(イラスト 清水紗羅巳)

(イラスト 清水紗羅巳)

 ソニー社長が交代するという記事を新聞で読んだ会社員の淳一さん。電機メーカーに勤める妻の文子さんに聞いた。

 淳一 ソニーの社長が代わるって。

 文子 そうなのよ。平井一夫(ひらい・かずお)社長兼最高経営責任者(CEO)が4月に退任し代表権のない会長に就任するの。経営陣のサポートに回るみたい。

 淳一 次の社長になるのは誰なんだい。

 文子 平井さんの下で副社長兼最高財務責任者(CFO)を務めてきた吉田憲一郎(よしだ・けんいちろう)さんよ。財布のひもをしっかり握ってきた人物を充てるってことは、堅実な人事と言えそうね。

 淳一 どうしてこのタイミングで交代になったんだろう。

 文子 2018年3月期の連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が20年ぶりに過去最高を更新するの。平井さんは記者会見で「好業績に向かっていくソニーを吉田次期社長にバトンタッチできるのがうれしい」と語っていたわ。最高益を花道にして社長職を譲るという意味もありそうね。

 淳一 20年ぶりかあ。ソニーは一時、業績が悪かったと記憶しているけれど。

 文子 そうね。平井さんが社長に就任した6年前は赤字に苦しんでいたわ。パソコン事業の「VAIO(バイオ)」の売却とか、大規模なリストラも断行したの。

 淳一 持ち直した理由はなんだろう。

 文子 最高益へと押し上げたのは、スマートフォンの画像処理などに使われる半導体や、生命保険や銀行などの金融事業が好調だったからね。かつて主力だった電機分野以外の収益が多いわ。

 淳一 勢いを取り戻して、事業が軌道に乗ったとは言えないのかな。

 文子 まだそうとは言えないと思う。次期社長の吉田さんも指摘していたようだけど、時価総額では米アップルに遠く及ばないの。グローバルで戦っていくには、まだ競争力を蓄える時期でもありそうね。

 淳一 生産を中止していた犬型ロボットの新型「aibo(アイボ)」を12年ぶりに発売したよね。ソニー復活を印象付ける話題だと思ったな。

 文子 そうね。けれど、過去のヒット商品にすがっているという一面もあるかも。最近は一世を風靡(ふうび)した「ウォークマン」のように新しく市場を切り開く商品には恵まれていないわ。どんどん物が売れた時代がうらやましくもあるわね。

 淳一 じゃあ、子どもたちも独立して生活に余裕も出てきたし、ペットとしてアイボを飼ってみますか。

 文子 あら、私はまだあなたの世話が残っていますからね。

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