みやビズ

2018年5月21日(月)
ビジネスウォッチ

【にっぽん診断】 外国人の働き方にも配慮を 関西大教授 佐藤方宣

2018/02/12
 今年の成人式は、新成人に占める外国人比率の高さが大きな話題となった。近年の留学生や外国人実習生の増加が背景にあり、東京23区では8人に1人が外国人で、特に新宿区は約半数という。同区の成人式では外国人の新成人のため、くす玉に日本語のほか英語やハングルが併記され、文京区では同時通訳の機器が貸し出されたという。

 グローバル化が進展する中で、あらためて日本社会の構成員の多様性が増しつつあること、そして変化への社会的対応が着実に進みつつあることが印象的だ。

 だが海外からの人の受け入れを巡っては、気になる点もある。厚生労働省が1月に発表した調査によると、労災により死亡した外国人の技能実習生は2014~16年度の3年間で22人に上り、人数比で見た場合、雇用者全体の2倍以上に相当する高さだという。

 外国人実習生を巡っては、労働環境の劣悪さや労働組合加入を巡る管理団体の対応の問題などがしばしば報じられている。労災事故が多発する背景に、雇用条件や働き方の問題がないかどうか、さらなる精査が求められるだろう。

 既に日本社会で働く外国人労働者はあらゆる分野で増えており、厚労省などによると、12年の68万人強から16年には108万人強に増加した。外国人労働者の割合は1・1%から0・6ポイント上昇、1・7%になった。中でもサービス業を見ると、宿泊や飲食以外で、労働条件が厳しい廃棄物処理などでは4%弱となっており、製造業での増加も目立っている。

 「働き方改革」が唱えられる日本において、既に社会を担う重要な構成員になっている外国人労働者の働き方もまた、十分に配慮すべき対象であるはずだ。

 外国人労働者については、受け入れの是非や規模を巡りいまだに意見の大きな対立がある。しかしどのような立場に立つにせよ、その受け入れ方の「質」への配慮は、今後避けられない重大な課題である。

プロフィール
関西大の佐藤方宣教授

関西大の佐藤方宣教授

関西大の佐藤方宣教授

 さとう・まさのぶ 1969年茨城県生まれ。慶応大大学院博士課程単位取得退学。慶応大非常勤講師、大東文化大経済学部特任講師などを経て2016年4月から関西大経済学部教授。編著に「ビジネス倫理の論じ方」など。

アクセスランキング

ピックアップ