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2018年10月21日(日)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】造船提携活発化

2018/02/05

背景に世界的供給過剰 中韓に水あけられる


(イラスト 岩見俊哉)

(イラスト 岩見俊哉)

 造船業界で再編の動きが活発になっているという新聞記事を読んだ就職活動中の大学生、耕一さん。造船大手に勤める父安男さんに聞いた。

 耕一 最近、造船会社の提携や買収の記事をよく見るね。

 安男 最近だと三井造船と広島県の常石造船が提携に向け交渉しているという話や、未上場ながら造船専業で最大手の愛媛県の今治造船が三井グループの大分県の南日本造船を傘下に収める話がニュースになったな。

 耕一 三菱重工業も造船をやってるよね。

 安男 三菱の造船部門は今は中堅規模になっちゃったけど、昔は最大手だった。三菱は昨年、今治、大阪市の名村造船所、長崎県の大島造船所と4社で業務提携したよ。

 耕一 なんで提携が増えているの。

 安男 船は世界的に供給過剰の状態が続いていて、造船業界はどこも経営が苦しいんだ。2000年代後半以降、中国が台頭してきて受注が食われちゃってな。

 耕一 日本は造船大国って学校で習ったけど。

 安男 たしかに1956年から半世紀近く建造量トップだったけど、中国、韓国に追い抜かれて最近は3位が定位置になっちゃった。最近は建造量が中国、韓国の半分くらいしかない年もある。

 耕一 どうしてそんなに差がついちゃったの。

 安男 中国や韓国は日本より人件費が安くて、価格競争で有利でね。生産設備の大規模化も進めているから大型の船を効率よく造れるんだ。

 耕一 なるほどなあ。他社と提携するとどういうメリットがあるの。

 安男 複数の会社が一緒に技術開発に取り組めば、1社でやるよりコスト負担が小さくて済むし、成果も期待できる。開発や設計が得意な会社と、生産コストに強みがある会社が組んで分業方式で工程を分担すれば、性能、価格の両面で競争力のある船ができる。三菱と専業3社との提携はこのパターンだよ。

 耕一 日本の造船業はこれからどうなるの。

 安男 価格では、海外勢になかなかかなわないから、技術力で勝負していくしかない。中でも注目されているのが環境対応性能だ。船の世界でも車と同じように排出ガス規制が強化されていて、こういう部分では日本は十分勝負できるよ。

 耕一 環境技術は日本の得意分野なんだね。提携とか再編はこの先もっと増えるのかなあ。

 安男 たぶんね。提携相手も、場合によっては海外勢と組むところが出てくるかもしれないぞ。

 耕一 船旅ってロマンあるよね。卒業旅行は船旅もいいな。

 安男 その前に就活をしっかりやれよ。

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