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2018年7月19日(木)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】中央卸売市場の規制緩和

2018/01/01

自由度高め創意工夫促す 民間企業の運営にも道


(イラスト 岩見俊哉)

(イラスト 岩見俊哉)

 スーパーの仕入れ担当になったばかりの裕さんは中央卸売市場の取引規制が緩和されるというニュースを聞いた。取引のある水産物の仲卸会社社長の銀次さんに尋ねた。

  中央卸売市場って、何をしているところなんですか。

 銀次 そんなことも知らないのか。青果や肉、水産物などの生鮮品が産地から集まってくる流通の巨大拠点さ。俺たちみたいな仲卸業者が競りなんかで買い付けて、それを裕のところのスーパーやら外食やらに納入するんだ。うちが入ってる築地市場も中央卸売市場の一つで、水産物の取り扱いでは世界最大級さ。

  どうして、そんなことしているんですか。

 銀次 大量の生鮮品を同じ場所に集めて仲卸らが買い付けていく過程で需要と供給を調整しているのさ。産地からの大量の魚もあっという間に売れていくぜ。それに、俺たちみたいなプロが見極めることで適正な価格で取引できるんだ。

  なぜ取引規制を緩和するんだろう。

 銀次 卸売市場の取り扱いは昔と比べて減っている。産地と小売りの直接取引とかが増えてるからな。市場運営の自由度を高め、それぞれの地域の事情に応じた創意工夫を促すことで活気を取り戻そうってことさ。

  どんな規制が見直されるんですか。

 銀次 生鮮品を集荷する卸売業者と、卸から買い付ける仲卸業者は業務の範囲がきっちり決まってる。卸は基本的に仲卸以外には直接市場外に売れないし、仲卸は産地とじかに取引するのは原則禁止だ。こうした規制を市場ごとの判断で緩められるようになる。また、市場の開設者は自治体に限られていたけど、国が認めれば民間企業も運営できるようになる。

  どんな効果が期待できるんですか。

 銀次 例えば、卸と市場外のスーパーとの直接取引が盛んになるかもしれないね。俺たちには痛い話だけど、仲卸を抜くことで双方の費用削減につながるという意見がある。民間企業の運営が可能になれば、開設者に流通やITなどの企業が名乗りを上げるかもな。

  ビジネスの可能性が広がりそうですね。

 銀次 とはいっても、それぞれの市場がどこまで規制を緩めるかだ。卸も仲卸も規模が小さいところが多いから急激な緩和には慎重論も根強いよ。ただ、このままでは時代に取り残されるのは間違いないから、制度見直しを生かして活性化しないとな。IT化などが遅れているのも事実だし。

  さすが、銀次さんはいつも前向きですね。

 銀次 おい、どんなことがあっても取引継続はよろしくな。

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