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2018年10月21日(日)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】中小企業の後継者不足

2017/12/25

127万社で未定 少子化、会社員志向も


(イラスト 清水紗羅巳)

(イラスト 清水紗羅巳)

 中小企業の後継者問題が深刻化しているという記事を新聞で読んだ高校生の光一さん。地元の銀行に勤める父の隆史さんに聞いた。

 光一 後継者がいなくて困っている中小企業が多いって読んだけど、そんなに大変なの。

 隆史 そうなんだ。経済産業省の予想では、いま121万人いる70歳以上の経営者が2025年に245万人に倍増する見通しで、そのほぼ半分の127万社が後継者未定だそうだ。

 光一 なんでそんなことになっちゃったの。

 隆史 経営者の子どもの中にも会社勤めのサラリーマンの方がいいと考える人が増えていてね。会社経営というのはリスクもあるから、親の苦労する姿をみて、そういう気になるのも分かる。

 光一 僕も会社経営は不安だな。状況に地域差はあるの。

 隆史 地元完結型の経済の四国や、何代も続く老舗が多い北陸は後継者の未定比率が比較的低い。逆に若い経営者が多い沖縄や、公共事業の減少などで経営環境の厳しくなっている建設業が多い北海道は高いようだ。

 光一 後継ぎがいない場合、会社はたたむしかないの。

 隆史 そのケースが多い。16年は休廃業が2万9583件で過去最多だった。そのほぼ半数が黒字企業というから、技術のある優良企業が休廃業に追い込まれているということだな。経産省は、このままだと今後10年間で約650万人の雇用がなくなり、約22兆円の国内総生産(GDP)が失われると予想している。

 光一 大変だね。

 隆史 政府もこれから10年間を支援の集中期間として企業に早めの対応を働きかけたり、代替わり後のIT活用を促したりしていくって言っている。税制面での支援も年々拡充されているんだ。

 光一 子ども以外が継いでもいいんだよね。

 隆史 後継者候補は子どもが4割で一番多いけど、内部昇格や外部招聘(しょうへい)で親族以外が継ぐケースも3割くらいまで増えている。政府は企業の合併・買収(M&A)も促していてね。M&Aは買い手にとっても事業拡大や相乗効果を生み出すチャンスになるから魅力的な場合も多いんだ。

 光一 でも将来性がある企業ばかりじゃないでしょ。

 隆史 うん。それで経産省は企業診断をして有望なところから優先的に支援している。外部から来た経営者が経営改革を断行する例もあるよ。

 光一 そういえば、おばあちゃんのクリーニング店も後継ぎが決まっていないよね。お父さんは継がないの。

 隆史 そろそろ真剣に考えなくちゃなあ。

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