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2018年7月16日(月)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】兜町再開発

2017/09/11

往年のにぎわい復活へ 海外呼び込む狙いも


(イラスト 岩見俊哉)

(イラスト 岩見俊哉)

 東京・日本橋兜町エリアで再開発計画が進んでいるという新聞記事を読んだ高校生の優子さん。証券会社に勤める父、修さんに事情を尋ねた。

 優子 そもそも、どうして兜町っていうの。

 修 いろいろな説があるけど、平安時代の武将、平将門のかぶとを埋めたという伝説から兜町が地名になったみたいだ。
 優子 どんな街なの。

  株式を売買する市場として世界有数の東京証券取引所がある金融街だ。東証の周りに、かつては証券会社がたくさんあった。お父さんが新入社員だったころはバブル経済のまっただ中で景気が良くて、多くの証券マンや株主でにぎわっていたけど、今はすっかり寂れてしまった。

 優子 どうして寂れてしまったのかな。

  昔の東証には証券会社の社員が独特の手ぶりで取引を仲介した立会場があったけど、システム化の流れで1999年に廃止され多くの人手が要らなくなった。さらに、個人がインターネットを使って株取引をできる時代になり、兜町から移転したり経営が苦しくなって会社を閉じたりする証券会社が相次いだ。

 優子 それで往年のにぎわいを復活させようと再開発するってわけね。

  そう、証券の中心街として兜町に「国際金融センター」をつくる構想が動きだしている。中核となるのは、東証の建物を所有する平和不動産が建設するビルだ。建物の容積率を緩和する国家戦略特区の認定を踏まえて、2020年度内の完成を目指して手続きを進めているところだよ。

 優子 容積率って何。
 
  その土地にどの程度の大きさの建物が建てられるかを示す基準だ。容積率が緩和されると、より高いビルを建てることができるんだよ。

 優子 国家戦略特区っていうのは。 

  安倍政権が「岩盤規制の打破」と銘打って導入した制度で、特区に認定された地域ではさまざまな規制が緩和される。小池百合子東京都知事は特区を活用し、20年の五輪・パラリンピックまでにいろいろな改革を進めようとしているんだ。

 優子 ビルを建てるのはどんな狙いがあるの。

  海外の資産運用会社を呼び込んだり、先進的な金融サービスを手掛ける企業を支援したりするのが狙いだ。企業や投資家がセミナーなどで利用するホールや会議室も整備する。500人規模のホールがあれば、株主総会を開くことができるかもしれないからね。

 優子 うまくいくといいね。ところでお母さんが、家が古くなったから建て替えたいって。

  わが家は家族が仲良くにぎわっているから、再開発は必要ないよ。

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