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2018年5月23日(水)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】タカタ経営破綻

2017/07/17
(イラスト 清水紗羅巳)

(イラスト 清水紗羅巳)

 欠陥エアバッグ問題でタカタが経営破綻したというニュースを見た大学生の真実さん。就職活動中だが、なじみのない会社だ。父親で車好きの誠司さんに聞いてみた。

真実 欠陥エアバッグ問題って何。

誠司 タカタ製のエアバッグが膨らんだ際、異常に破裂して金属片が飛び散る事故が米国を中心に世界各地で起きているんだ。米国だけで少なくとも11人が亡くなったと報道されているし、日本でもけが人が出た。

真実 それと経営破綻がどう関係するの。

誠司 欠陥エアバッグを無料で回収し修理するリコールが世界で1億台超に上り、1兆円以上に膨らんだ費用を自社で賄いきれなくなった。リコール費用を合わせた負債総額は1兆7千億円といわれ、製造業では戦後最大の破綻だ。

真実 どうしてそんな金額になったの。

誠司 ホンダが最初にリコールを届け出たのが2008年だし、米国で最初の死亡事故が起きたのは09年だから問題発覚はだいぶ前なのに、タカタの対応は鈍かった。自動車メーカーと責任を押しつけ合って問題を長引かせた。欠陥エアバッグの生産中止を決めたのは15年になってからだ。

真実 事故原因は何。

誠司 エアバッグのガス発生剤に含まれる原料が湿気で変質するためだといわれているが、はっきりとした原因は分かっていない。自動車の設計に一因があるとも指摘されている。タカタの高田重久(たかだ・しげひさ)会長兼社長は、経営破綻後の記者会見で「なぜ起きたのか不可解だ」と言い張ったよ。

真実 そもそもタカタって、どんな会社なの。

誠司 エアバッグやシートベルトなど車の安全に関わる製品を供給する会社として、自動車業界では有名だ。それだけに甘えもあったといわれている。創業家出身の高田氏は一連のリコール問題で記者会見を2回しか開いていないし、責任を問う米議会の公聴会も欠席して批判を浴びた。

真実 今後は。

誠司 民事再生法の手続きが始まったから、事業を続けながら再建を目指すことができる。健全な事業は中国系米企業に1750億円で譲渡し、残った会社はエアバッグのリコールを続ける。

真実 リコール費用はどうなるの。

誠司 費用を立て替えているホンダやトヨタ自動車が、請求を放棄して再建に協力する。自動車生産には今後もタカタ製品が欠かせないからだ。

真実 早めにしっかり対応しておけば、大ごとにならなかったのにね。

誠司 真実も就職活動、早めに対応しておくべきだったな。

真実 言わないで…。

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