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2018年5月20日(日)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】個人向け国債人気

2017/04/10

マイナス金利下で優位 販促見直しで魅力薄も


(イラスト 清水紗羅巳)

(イラスト 清水紗羅巳)

 個人向け国債が人気を呼んでいるとの新聞記事を読んだ高校生の里美さん。証券会社に勤める叔父の完治さんに聞いた。

 里美 個人向け国債って何なの。

 完治 国が予算を確保するために発行する国債のうち、個人に販売するものだよ。証券会社など金融機関を通じて募集し、財務省が毎月、応募があった分だけ発行する。1万円から購入可能で、半年ごとに利子が受け取れるほか、満期時には元本が返ってくるよ。

 里美 どんな種類があるの。

 完治 満期までの期間が10年の変動金利型と、期間が5年、3年の固定金利型の計3種類あって、最低でも年0・05%の金利が保証されている。元本割れの心配がなく、株式や外国債などと比べ安全性が高いと言われているよ。

 里美 どれくらい売れているのかしら。

 完治 2016年度について財務省は当初、1兆9千億円の発行を見込んでいたけど、実際は4兆5556億円も売れたんだ。07年度以来、9年ぶりの高い水準だよ。いろんな金融商品が登場した影響などで販売が低迷し、15年度はピーク時の3割程度まで落ち込んでいたんだけどね。
 里美 どうして販売が回復したのかな。

 完治 日銀が導入したマイナス金利政策の影響で預金や社債などの金利が低下したことが大きな要因なんだ。銀行の定期預金の金利は軒並み年0・01%まで下がっている。個人向け国債は最低でも年0・05%の金利が受け取れるから運用先に悩んでいた個人マネーの受け皿になったみたいだ。証券会社などの金融機関が顧客開拓の好機とみて、現金贈呈といった販売キャンペーンに力を入れたことも一因だろうね。

 里美 今後も人気が続きそうなの。

 完治 銀行の定期預金より利回りが有利な間は、売れ行きは底堅いと思う。ただ17年度が16年度より増えるかというと、そうとも言えない。財務省は今年4月発行分から、個人向け国債を扱う金融機関に支払う事務手数料を引き下げるんだ。財政負担を少しでも減らすためなんだけどね。

 里美 それがどう影響するの。

 完治 この手数料を元手に金融機関は販売キャンペーンを実施しているので、手数料が下げられると販促活動の見直しを検討するところも出てきそうだよね。個人投資家にとっても魅力が薄れるかもしれない。財務省も17年度の発行予定額を2兆9500億円と、堅めに見積もっているんだ。

 里美 私も預金を国債で運用してみようかな。

 完治 すぐ欲しいものが出てくるからやめといた方がいいよ。

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